PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

PAZZO FANFANO DI MUSICA パッツォ・ファンファーノ・ディ・ムジカ「狂気じみた饒舌家の音楽」

狂気じみた饒舌家の音楽

1989年リリース、当時の日本のプログレオールスターズ参画のクラシカルプログレの名盤PAZZO FANFANO DI MUSICAの「狂気じみた饒舌家の音楽」が「NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTION」で再発売。2013年に続いて2度目の再発売となります。

演奏メンバーは、荒牧隆、杉本正、川口貴、上野知己、桜井信行、宮武和広、林克彦、徳久恵美、桜庭統、杉本恭子。作曲のみに加わったメンバーは塚本周成、永井敏巳、平山照継、藤井卓。当時のアウターリミッツ全員と、ミスター・シリウス、夢幻、マグダレーナ、テルズ・シンフォニア、ヴィエナ、デジャヴとまさにプログレオールスターズ。しかもアコースティック楽器とクラシカルな声楽風ボーカル中心にメロトロンぼーぼーてことでプログレと言ってもジェネシスとかイエスというよりはオパス・アヴァントラかというような現代音楽風な楽曲&アレンジ。

パーマネントなバンドではなく企画盤の雰囲気満載ですが、異なるバンドに所属していて作曲者ごとに芸風も少しずつ違うものの、なんかこのテーマでまとめられると、しっかりコンセプチュアルな作品として完成してますんで素晴らしいです。私は当時気付きませんでしたが、「PAZZO FANFANO DI MUSICA」、略してP・F・Mてことで、再発売により再評価が高まること間違いなしの日本のプログレの名盤です。

個人的にはMr.Siriusのアルバムに入ってても不思議がない宮武和広作のアコギ&フルートの名曲「SOSPIRI DEL FIORE(囁く花)」や、桜庭統作の「FARAGOROSO」、ラストを飾る平山照継作の10分超の大曲「ANNIVERSARIO」などは日本プログレ史に残る名曲と思います。

2013年の再発時に宮武和広(Mr.Sirius)がセルフライナーを、そして今回の再発によせて荒牧隆(Outer Limits)が当時の思い出をそれぞれ書いてますのでぜひご覧を。

4LDK=仙波基+宮本佳子(ジュラ)「4LDK for LDK」がリリース30年目にして初の正式再発売

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4LDKは仙波基(キーボード、プログラミング)と宮本佳子(ボーカル)のデュオ。仙波基は自身のバンド、ペール・アキュート・ムーンのほか、平山照継のテルズ・ジンフォニアなどでも活躍したキーボード奏者、宮本佳子はプログレハードのスターレスにジュラという名前で参加していたボーカリストです。宮武和広、Higa Yasuhisa、Matsumoto Kouji、井上靖らをゲストに迎えて制作した唯一の作品が1988年に8cmシングルCDとしてリリースされた「4LDK for LDK」で、リリース30年を迎える今年、初めて正式再発売されました。

サウンド的にはペール・アキュート・ムーンのような壮大なシンフォニックというわけでもなく、スターレスのようなハードさも皆無で、メンバーから想像する音楽とはややイメージが異なりますが、リリース時はヴァージニア・アストレイ風サウンドと評価されていたとおり、打ち込み+女性ボーカルのプログレファンにもアピールするユニークな作品でした。8cmシングルでのリリースのせいか、バンドではなく打ち込み主体のユニットだったせいか、狭義のロックでもないといったあたりが理由なのか、知る人ぞ知る作品となっていました。

13年に仙波基が自身のサイトで25周年記版音源を公開したり(現在は公開されていない)、13年のネクサスの再発シリーズ「プログレッシヴ・ロック・レジェンド・ペーパー・スリーヴ・コレクション”シリーズ」の購入者特典CDに全曲が収録されるなど、音源としての目新しさはそれほどないところですが、単独作品として正式再発売されるのは初であり、今回の101タイトルにもおよぶ廉価版再発シリーズ「NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTION」の中でも目玉の一つではないでしょうか。

キスエク xoxo(Kiss&Hug) EXTREME 初ワンマンライブ@鹿鳴館

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2018年2月4日、プログレッシブ・アイドル「キスエク xoxo(Kiss&Hug) EXTREME」が初ワンマンライブを目黒・鹿鳴館で開催しました。15年に出たシングル「鬱」(当時はxoxo(Kiss&Hug)名義)は聴いていたものの、メンバー交代してからの活動を追ってなく、最近になってマグマの「The Last Seven Minutes」のカバーが話題になっているのを見て改めて気になっていたところ、初のワンマンライブ開催のタイミングと重なり、これは一度見てみなければとでかけてみたのでした。

鹿鳴館のスタンディングのキャパは250ということですが、会場は満員に近かったのではないでしょうか。90%中高年男性、5%若年男性、でも若年女性の姿もちらほら。通常のプログレバンドのライブではあり得ないことです。

フルート入りジャズロックバンドのQuiが、Baby Metalの神バンドさながらに鉄壁の演奏でバックを固めてます。10分くらいのQuiだけのインストの演奏もあり、ここだけはいつものプログレのライブでした(笑)。ライブでの歌や踊りは発展途上という感じですが、逆にその未熟さが今後の成長期待でもありこれからが楽しみです。次回ワンマンライブやアルバム制作の発表もあり、ますます目が離せません。

三十数年前、エイジアや90125イエスを拒否したプログレファンでも、時を経て歳を重ねてプログレアイドル・キスエクを支持する方もいるのではないでしょうか?

未聴の方はまずは最近話題になったマグマのカバーのこの曲から。4日のライブでも歌ったのですが、一度目の自らのパフォーマンスに納得いかなかったのか、アンコールの曲を変更して再度披露。カバー曲とはいえ代表曲になるのでは?と思いました。

The Last Seven Minutes (MAGMA COVER)/ xoxo(Kiss&Hug) EXTREME 2018.1.7 下北沢SHELTER

XOXO-EXTREME Official Site

キングレコードからジャパニーズ・プログレッシヴ・ロックの名盤が廉価版にて大量再発!!

キングレコードからジャパニーズ・プログレッシヴ・ロックの名盤が廉価版にて大量再発されます!2017年12月はノヴェラや派生グループを中心に、2018年1月にはアストゥーリアスの初期作品やページェント、アウターリミッツなど、2月にはミスター・シリウスや夢幻、プロビデンス、4LDKも出るとのことで楽しみ!価格もアルバムが1404円(ミニアルバムは1080円、2枚組は1836円)とお買い得です!! NEXUS、CRIME、ERECTRIC BIRD、BILLBOX、MADE IN JAPANのカタログからの再発で、11月8日のサブラベルズやテラ・ローザなどメタル系を皮切りに4か月連続のリリースとなるよう。

NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTION全101タイトル、4ヶ月連続リリース http://tower.jp/article/feature_item/2017/08/22/0702

2011年~2013年にリリースされた「PROGRESSIVE ROCK LEGEND PAPER SLEEVE COLLECTION」全50枚では出なくて今回出るものに●つけました。

4LDKは前回のシリーズの購入特典・非売品CD「OKURIMONO」に全曲収録されていますが、公式再発売は初になります。MR.SIRIUS「BARREN DREAM」ほか数点は過去の再発盤が入手困難なので未聴の方はマストでしょう。

◇2017/12/6発売
ノヴェラ/魅惑劇
ノヴェラ/イン・ザ・ナイト~星降る夜のおとぎ話~
●ノヴェラ「青の肖像
●ノヴェラ/パラダイス・ロスト
ノヴェラ/サンクチュアリ(聖域)
●ノヴェラ/フロム・ザ・ミスティック・ワールド~スーパー・ライヴ・ショウ
●ノヴェラ/ブレイン・オブ・バランス(均衡の脳)
●ノヴェラ/ワーズ
平山照継/ノイの城
平山照継/シンフォニア
テルズ・シンフォニア/エッグ・ザ・ユニヴァース
テルズ・シンフォニア/ヒューマン・レース・パーティー
五十嵐久勝/パズル
ジェラルド/ジェラルド
ジェラルド/虚実の城
●ジェラルド/夢の中の夢
ジェラルド/アイロニー・オブ・フェイト
●永川敏郎's ジェラルド/天使が舞い降りた夜

◇2018/1/10
ヴィエナ/オーヴァーチュア=序章
ヴィエナ/ステップ・イントゥ…
ヴィエナ/プログレス-ラスト・ライブ
アイン・ソフ/妖精の森
アイン・ソフ/帽子と野原
99.99(フォー・ナイン)/99.99
99.99(フォー・ナイン)/モア・オブ・99.99
美狂乱/美狂乱
美狂乱/パララックス
ケンソー/ケンソー
ケンソー/イン・コンサート
●ケンソー/スパルタ
ケンソー/夢の丘
●ケンソー/ライヴ'92
ダダ/ダダ
ケネディ/トゥインクリング・ナサ
ソフィア/ディファイアンス
ブラック・ペイジ/オープン・ザ・ネクスト・ペイジ
●アウターリミッツ/ミスティー・ムーン
アウターリミッツ/少年の不思議な角笛
●アウターリミッツ/ペール・ブルーの情景
アストゥーリアス/サークル・イン・ザ・フォレスト
アストゥーリアス/ブリリアント・ストリームス
アストゥーリアス/クリプトガム・イリュージョン
ページェント/螺鈿幻想
ページェント/夢の報酬

◇2018/2/7
スターレス/銀の翼
●スターレス/ソング・オブ・サイレンス
●ミスター・シリウス/バレン・ドリーム
ミスター・シリウス/ダージ
ペイル・アキュート・ムーン/組曲:ルッキング・フォー・ニュートピア
●4LDK/4LDK for LDK
夢幻/レダと白鳥
マグダレーナ/マグダレーナ
パッツォ・ファンファーノ・ディ・ムジカ/狂気じみた饒舌家の音楽
プロビデンス/伝説を語りて
プロビデンス/蝶湖夢楼の一夜
●アルスノヴァ/トランシ
●アルスノヴァ/黄泉の女神達
●アルスノヴァ/死者の書
ヘヴィ・メタル・アーミー1
イースタン・オービット/フューチャー・フォース
イースタン・オービット/ライブ!~ジャーニー・トゥ・ユートピア
中島優貴/大予言~ハート・オブ・ルネッサンス
中島優貴/インスパイア
●中島優貴/幻想組曲やまとなでしこ
サブリナ/サブリナ
マライア/YENトリックス
マライア/アウシュビッツ・ドリーム
マライア/レッド・パーティ(悪魔の宴)

「zabadak 吉良知彦が創りだした音楽と、彼が愛した音楽の世界」

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7月に急逝した吉良知彦を偲びながら、zabadak(ザバダック)の代表曲と吉良知彦が好んだ主にプログレのカバー曲を演奏するライブイベント「Play your days 〜 The music of KIRA and his favorites」が開催されました。今年わたしが見た30本ほどのライブの中で一番良かったです。最後にメンバー紹介の後で小峰公子が「with 吉良知彦」とコールしたときには思わず涙がこぼれそうになりました。

2016年12月18日(日)、会場は吉祥寺ROCK JOINT GB。ロックのライブにしては珍しい日中12:15開演で、10分の休憩を挟んで約2時間、16曲を演奏。「Play your days」というのは今日も演奏されたzabadakの曲の名前でもありますが、どうやら今日の出演者をメンバーとするバンド名でもあるよう。2015年9月のNHK-FM「今日は一日 プログレ三昧 4th」に出演した「キドキラPlus」(鬼怒無月と吉良知彦によるデュオ・キドキラに小峰公子、楠均、吉田誠が加わったユニット)の再演という位置づけでもあり、吉良知彦は天国にいるため欠場、新たにヴァイオリンの向島ゆりこが加わり、小峰公子曰く「キドキラPlusマイナス吉良知彦プラス向島ゆりこ」がバンド「Play your days」ということだそうです。

オープニングの「Gargoyle」からzabadakの曲を3曲連続で披露。とくに「Play Your Days」はもともとzabadakには珍しいハードロックですが、鬼怒無月のギターとボーカルが原曲のハードさをさらに増していましたね。そもそも鬼怒無月のボーカルは初めて聞いたかも。

そして一部後半は「吉良知彦が愛した音楽の世界」でプログレカバー大会。まずはプログレ三昧4hでも演奏されたというアレアの「白い象」。演奏を終えて思わずメンバーの誰かがぽろっと「白い象じゃなくてすごい象だ」と言ったように激しい演奏。続いては同じくプログレ三昧での演奏曲で「プログレかどうか」で揉めたというマイク・オールドフィールドの「To France」。原曲はマギー・ライリーのボーカルが美しい佳曲ですね。もちろんプログレ。「Belly Dancer」はゴードン・ダンカンのオリジナルをセッションA9がアレンジしたバージョンとのこと。プログレカバー大会の最後はケイト・ブッシュの「嵐が丘」。死んだキャシーが霊となってかつての恋人ヒースクリフのもとに来るというホラーな歌ですが、ケイト・ブッシュの代表曲で私も大好きな曲をこのメンバーによるカバーで聞けて感無量でした。

ここで10分ほどの休憩。開演前も同じでしたが休憩中にも会場でかかっていた音楽はオーストラリアのスナカダクタル Snakadaktal の曲でした。メンバー指定なのか会場側がたまたま指定したものかわからないですが、なかなか良いです。

後半は「Birthday」「グスコーブドリの伝記」とzabadakの曲でスタート。ビートルズのカバー「I am the Walrus」を挟んで、zabadakのライブではお馴染みの風部との共演「風の巨人」「POLAND」2曲が続き、「人形たちの長い午睡」、そして最近のzabadakの代表曲といってもよい「相馬二遍返し」で一気に畳みかけるような怒涛のパフォーマンス。

あらかじめセットリストが配られていてお約束(笑)のアンコールでは、ピンク・フロイドのカバー「あなたにここにいてほしい」。2015年12月のキドキラプラスのライブでも演奏された曲とのことですが、タイトルからはいまこれを演る意味を思わざるをえないですね……。最後はzabadakのライブの締めといえばこれ、「Easy Going」。キーボードがいないせいもありますが、プログレナイトのプログレzabadakというより、ハードロックzabadakな感じの熱いライブでした!! これからもzabadakを応援していきたいと思います!

Play your days 〜 The music of KIRA and his favorites http://www.zabadak.net/information/2016/0419_20161102_live.html

セットリスト 1.Gargoyle(zabadak) 2.樹海(zabadak) 3.Play Your Days(zabadak) 4.白い象 L'elefante bianco(AREA) 5.To France(MIKE OLDFIELD) 6.Belly Dancer(GORDON DUNCAN) 7.嵐が丘 Wuthering Heights(KATE BUSH) 8.Birthday(zabadak) 9.グスコーブドリの伝記(zanadak) 10.I am the Walrus(BEATLES) 11.風の巨人(zabadak) 12.POLAND(zabadak) 13.人形たちの長い午睡(zabadak) 14.相馬二遍返し(相馬民謡/zabadak) 15.あなたにここにいてほしい Wish You Were Here(PINK FLOYD) 16.Easy Going(zabadak)

メンバー 鬼怒無月(Gt、Vo) 小峰公子(Vo、Acc) 楠均(Dr、Vo) 吉田誠(Bs) 向島ゆりこ(Vl、Vo) (with 吉良知彦)

本当にすごいザバダックのプログレ!「ZABADAK プログレナイト2014」ライブ盤


プログレナイト2014 / zabadak

ザバダックの2014年7月12日公演「プログレナイト2014」を収録したライブCD+DVDはザバダックの数ある作品群の中でもプログレ度トップレベル、世の中に数あるプログレのライブ作品の中でもトップレベル、と言える超絶名作!!!

私は当日会場でライブを観てまして、 「昨年と比べると、プログレ度は下がっていました(特に後半)」 「『プログレナイト』と言ったところで来るのはいつものザバダックファンだし、特にプログレナイトと呼ばなくても…」 などと、ある意味失礼な、でも半分合ってる(と今でも思ってる)感想を残してますが、今回のライブ作品を聴きますとそのような印象は一瞬にして吹き飛びます。

本ライブ作品に収録されているのは、当日演奏された18曲中11曲。ライブのセットリストと照らし合わせると、1曲目「今日の夢のこと」から9曲目「風の巨人」までは、ライブと全く同じ。ライブでは10曲目、11曲目として演奏された「星ぬ浜」「遠い音楽」は未収録で、ライブ12曲目「ポーランド」と13曲目「相馬二編返し」を、本作では10曲目、11曲目に収録してそこで完結させています。ライブではその後「アンリーズナブルエッグ」「ガラスの森」「永遠の森」、アンコールで「光降る朝」「イージーゴーイング」の5曲が演奏され、ライブ会場の盛り上がりはむしろその後高まって頂点に達するわけですが、本作では後半のそれらの曲はことごとくカットという荒業!

この選曲によりプログレが濃縮され、実際見たライブとはずいぶん印象の変わる作品に仕上がっているというマジック!と、いうことで、ザバダックファンとしては、プログレも聴けるし、いつものザバダックも聴けるしで二度おいしかったライブですが、ライブアルバムとして生まれ変わった「プログレナイト2014」は、いつものザバダックは無し。本気の真正プログレだけのライブアルバムになりました。

通常版はCDのみですが、ライブ会場および通販取扱いは500枚限定のDVD付。あの感動の記憶が甦る名演の記録ということで迷わずDVD付をゲットしました。DVD収録の3曲はCDにも入っていますし、ほぼ固定のカメラで画質もそれほど高いとも言えませんので、熱心なファン以外はとくにDVD付にこだわらなくてもよいと思います。それよりなるべくたくさんの人(とくにプログレファン)にこの作品を聴いてほしいですね。

◇ZABADAK プログレナイト2014 <オフィシャル通販> 限定版(CD+DVD)|通常版(CDのみ) <日時・会場> 2014年7月12日@東京キネマ倶楽部 <メンバー> 吉良知彦(Vo,G) 小峰公子(Vo,Acc) 難波弘之(Kb) 楠均(Dr) 吉田誠(B) 向島ゆり子(Vl) 鬼怒無月(G) 藤井珠緒(Per) <収録曲> CD 1.今日の夢のこと 2.回転劇場 3.ニュウス 4.BIRD'S ISLAND 5.јесен 秋 6.KIMELLA 7.Лето 夏 8.グスコーブドリの伝記 9.風の巨人 10.POLAND 11.相馬ニ遍返し DVD 1.KIMELLA 2.風の巨人 3.POLAND

月刊ストレンジ・デイズ休刊

2016年4月15日に月刊ストレンジ・デイズの公式サイト http://www.strange-ds.com/ において3月20日に発行済みの5月号(通巻198号)をもって休刊となることが告知されました。事情はよくわかりませんが、毎月20日の発行を楽しみにしていただけに、ちょっと残念ではあります。

月刊ストレンジ・デイズ一時休刊のお知らせ(2016/4/15)

出版業界では一般に休刊=事実上の廃刊ということも多いのですが、今回は、休刊告知の中に「初夏までには内容・ページ数・価格を変更したストレンジ・デイズを発行予定」と明記されていることや、ストレンジ・デイズでは版元変更や編集長の病気療養で発行サイクルがイレギュラーとなった"実績"もあるので新装開店を待ちたいです。

ストレンジ・デイズは1998年11月27日(12月号)に「CDジャーナル」の別冊として創刊されました。創刊号の特集は「ハーヴェストレーベル研究」「ニッチ・ポップ100選」の2本立で、ピックアップアーティストとしてバグルズ、そのほか鈴木慶一、遊佐未森、松尾清憲、佐野元春らへのインタビューが掲載されています。岩本晃市郎編集長以下、宮脇浩氏、大塚恵美子氏、池田聡子氏ら最新号と代わらぬ編集スタッフに加えて杉山達氏、鈴木祐氏ら最新号まで書き続けているライター陣の名前も見えます。

当初は不定期~隔月刊で、2号(99年3月号)ヴァーティゴ、3号(99年5月号)カリスマ、4号(99年8月号)ヴァージン、5号(99年10月合)マンティコア、6号(99年12月号)ネオン、7号(00年2月号)4ADとレーベル特集を中心に号を重ね、8号(00年4月号)から月刊化されます。

2003年3月20日発行の2003年5月号(通巻44号)から、発売元も音楽出版社から有限会社ストレンジ・デイズに移り、このとき発売日も変更となります。直前の2月15日発売の43号が2003年3月号のため、2003年4月号は欠番になりました。

2008年6月に出た107号は岩本編集長の病気療養のため8/9月合併号となり、A4サイズの大型版となって9月に復刊する108号(10/11合併号)まで3か月の間お休みとなりました。113号(2009年4月号)からは元のサイズに戻って、198号(2016年5月号)まで続いていました。

プログレ関連の雑誌というと、79年創刊のマーキー・ムーンはプログレ関連といえる71号までだと18年(97年まで)、現役のユーロ・ロック・プレスが18年で68号(16年2月発行)、77年創刊のフールズメイトはプログレ誌といえる20号までは4年ほどでしょうか。ZOO、Gモダーン、ジャーム、ロックダイヴィングマガジン、アークエンジェル、ユリシーズ等、プログレ周辺領域まで含めると短命な雑誌は多数ありましたが、18年で198号まで出たストレンジ・デイズほどに、当初からプログレ専門ではなかったものの軸がぶれることなくかつ長寿命だった雑誌は他にないと思います。予告どおり復刊してほしいものですね。