カイパ(Kaipa)の初期3枚リマスター盤と、アンリリーストマテリアル、ライブ各1枚の計5枚からなるボックスセット「The Decca Years 1975-1978」が発売されました。初期3枚は持っているという人も(私もそうです)国内盤は6500円で輸入盤なら5000円台ですから、アンリリーストマテリアルとライブの2枚セットで、初期3枚のおまけもついてこの値段と思うと、買わない手はないかと(ケチ臭い話ですが)。
カイパの中心メンバーだったロイネ・ストルトが90年代に長い沈黙を破って突然活動を再開し、カイパ自体が今も最先端の現役バンドなわけですが、懐古趣味とけなされようが、やはり初期3枚のころがもっとも魅力的な時代だったんではないかと思います。まあ、高額廃盤の代表のひとつで、LPでの再発売もなくCD化もかなり遅かったですから、聴きたくても聴けない時代が何年もあって、その間に幻想が膨らんでいる可能性は否定しませんが、やっと聴けたときにその期待を裏切らない内容をちゃんと伴ってたわけですから、本物であることは間違いないです。
音質はともかく編集が粗いのやや気にはなりますが、アンリリーストマテリアルはアルバム収録作に比べても引けをとらない良い曲が多いですし、ライブの方も当時の雰囲気が伝わってくる涙モノの内容です。
カイパってロイネ・ストルトのギターもいいですが、ハンス・ルンデンの温かみのある音色・フレーズのキーボードがいちばんの魅力ですね。ピーター・ガブリエル脱退直後のジェネシスのような(スティーブ・ハケットのギター+トニー・バンクスのキーボード)。トニー・バンクスのキーボードも温かみのある音色だからなあ。
カイパのライブには「Stockholm Symphonie」というブートレッグCDがあって、これがカイパの普通に買える唯一の音源だった時代もありました。このCDには曲目以外のクレジットがないのでよくわかりませんが、少なくとも今回のボックスセットのライブ盤とは曲のかぶりはあまりありません。