4LDKは仙波基(キーボード、プログラミング)と宮本佳子(ボーカル)のデュオ。仙波基は自身のバンド、ペール・アキュート・ムーンのほか、平山照継のテルズ・ジンフォニアなどでも活躍したキーボード奏者、宮本佳子はプログレハードのスターレスにジュラという名前で参加していたボーカリストです。宮武和広、Higa Yasuhisa、Matsumoto Kouji、井上靖らをゲストに迎えて制作した唯一の作品が1988年に8cmシングルCDとしてリリースされた「4LDK for LDK」で、リリース30年を迎える今年、初めて正式再発売されました。
サウンド的にはペール・アキュート・ムーンのような壮大なシンフォニックというわけでもなく、スターレスのようなハードさも皆無で、メンバーから想像する音楽とはややイメージが異なりますが、リリース時はヴァージニア・アストレイ風サウンドと評価されていたとおり、打ち込み+女性ボーカルのプログレファンにもアピールするユニークな作品でした。8cmシングルでのリリースのせいか、バンドではなく打ち込み主体のユニットだったせいか、狭義のロックでもないといったあたりが理由なのか、知る人ぞ知る作品となっていました。
13年に仙波基が自身のサイトで25周年記版音源を公開したり(現在は公開されていない)、13年のネクサスの再発シリーズ「プログレッシヴ・ロック・レジェンド・ペーパー・スリーヴ・コレクション”シリーズ」の購入者特典CDに全曲が収録されるなど、音源としての目新しさはそれほどないところですが、単独作品として正式再発売されるのは初であり、今回の101タイトルにもおよぶ廉価版再発シリーズ「NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTION」の中でも目玉の一つではないでしょうか。