昨年は、中年男性の懐古趣味を狙ってか、団塊マーケティングの前哨なのか、メジャー雑誌でプログレが大々的に取り上げられました。2月刊のアエラ増刊「AERA in ROCK」には、たった1ページでしたが「メロトロンで人生が変わってしまった人々」という衝撃記事、7月発行の第2弾では清水義央と厚見玲衣の対談「プログレ名盤解析」とエスカレート。一方日経BP社「大人のロック」では12月発行のVOL.5で第2特集として「大人が選んだプログレ人気番付」を掲載しています。
そして今年1月(奥付日付、実際には昨年発行)、ついにワールドフォトプレスのこだわりのモノ雑誌「モノ・マガジン」の増刊「HARVEST」VOL.3で「プログレッシブ・ロックをもういちど」としてまるごと一冊プログレ特集。清水義央、難波弘之、たかみひろし、伊藤政則らが寄稿しています。
難波弘之のプログレへの想いをつづった一文は、年末のライブで清水義央が絶賛していたもの。
その清水氏も、プログレの名曲の楽曲解析をした労作を執筆。楽器できないし譜面のことはさっぱりわからないがジェネシスファンの私としては、「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイ」がなぜ名曲たりえているのかが、わかった気がした・・・。4/4拍子をトニー・バンクスが6/4拍子風に弾き、4/4拍子の演奏とは24拍に一回合うとか、フィル・コリンズはライブによって4/4拍子と6/4拍子風演奏を叩き分けていたとか。
たかみひろしのユーロロック(非英国プログレ)ベスト30もなかなかの苦心作。北欧や東欧が入っていないのがちょっとアレではありますが。
意図してかせずか70年代のグループに限定されていて、また日本や北欧、南米のグループにはまったく言及していないことなど、マニアには物足りない部分もありますが、そこはストレンジデイズやユーロロックプレスを読めよといわれればそれまでであり、こうしたメジャーな雑誌でプログレが取り上げられていること自体すごいなと思ったのでした。
それはそうと、本書で紹介されていたプログレ喫茶、プログレバーなるところに一度行ってみたいものです。