札幌にどうもすごいバンドがいるということで、東京上陸時にもファンの度肝を抜いたという、プロヴィデンス。デモカセット、アルバム、ライヴビデオなどのリリースも数多く、札幌・東京を中心とした国内での活動のみならず、アメリカでもツアーを行っています。ここ数年活動の話が聞かれないのが本当に残念なグループです。
私のプロヴィデンスとの出会いは1989年、アトールの札幌公演のオープニングアクトとして出演したのを見たのが最初です(この日のプロヴィデンスとは関係ない話を前に書いた)。アトールのライブは正直あまりぱっとせず、この日の収穫はなんと言ってもプロヴィデンスというすごいバンドがいて、しかもなんと地元札幌のバンドだということ。1988年に東京でもライブを行っていたようですが、そのころ東京にいたはずの私は名前も知りませんでした。ま、いずれにせよ、このバンドはライブがすごいので、理想的な出会いではありました。
デモカセット、ライブビデオも含めた作品数は多いのですが、アルバムとしては、1st「伝説を語りて」、2nd「胡蝶夢桜の一夜」とレアトラックス集の3枚で、あえて1枚といわれれば、代表曲でもある「ガラテア」で幕を開ける1st「伝説を語りて」でしょうか。2代目ボーカル菅原貴子の方がプログレっぽいですが、1st時の初代ボーカル久保田陽子のハードロック風のパワフルボーカルがこのバンドには合っている気もします。曲の方は「プログレ編成・アレンジで聴かせるハードロック」という感じで、雰囲気というか、聞いているときの気持ちよさは、REDのころのキングクリムゾンを聞いているときに近いと個人的には思います・・・(なんのこっちゃ)。ほとんどの作曲を手がけるのがキーボードの塚田円で、この人の変態げな趣味がいろいろ盛り込まれているんだと思いますが、ルーツの解明はできてません。デモカセットやレアトラックス集に入っているインスト曲もなかなかの名曲が多いですね。
ライブがすばらしいバンドだけに、ぜひライブをもう一度というところですが、塚田氏の書く変態げな曲のファンでもあるので、いまはいろんな曲の発表形態があると思いますので、新作を聴ける日を楽しみに待っているところです。