「爆裂都市」「逆噴射家族」などの名作がある石井聰亙のデビュー作は「高校大パニック」(1976年)という8mm映画なのですが、これを1978年に35mmでリメイクした「高校大パニック」の音楽がなんとスペースサーカスなのでした。
曲はぶんぶんうなるベースとスペイシーなシンセがスペースサーカスらしいですが、BGMのあるシーンはそれほど多くなく、サウンドトラックなどがあるかどうかも分かりません。
オリジナルの8mmしか見たことがなかったので、リメイク版DVDをはじめて見たのですが、作品自体は、アクションシーンに古さは感じるものの、ライフルを手にして女子高生(浅野温子)を人質に校内に立てこもる受験生と、そういう異常事態を前にして、入り混じる本音と建前みたいなものを描くシニカルな視点が一貫して感じられる点がなかなか面白いです。個人的には8mmの方が、表現としての力を強く感じるので好きですが、長いこと見ていないので、近々出るらしい石井聰亙の初期作品DVDBOXに収録されるのなら、改めて見直してみようと思います。