三柴理という人はよくわからない人だ。キーボードプレイヤーとして天才的な腕前を持ちながら、筋肉少女帯や特撮のようなお笑いとプログレの融合みたいなバンドを長く続けているのです。筋少も特撮も三柴なくしては単なるコミックバンドでしかないのに、三柴がいることによりものすごいハイレベルのテクニックでものすごいおバカなことをするという、特異なポジションを確立しているのだと思います。
ソロ活動のほうでも、本人が再発売を拒絶しレアアイテムとなっているソロピアノ作品集「ピアノのなせる業と真髄」は残念ながら聴いていないのですが、三柴理Electric Trioによる「TAG」はプログレファンにもアピールする作品ではないかと思います。「森の妖精」(「戦闘妖精雪風」サントラ)、「孤島の鬼」(筋少の名曲)といったあたりのエレクトリックトリオ版もなかなかですが、美しい佳曲「MOON ORBIT」、ハイテンションで迫るアグレッシヴな「ヤンガリー」など聴きどころ満載のアルバムといえるでしょう。
ライブイベントなんかを見るとローランド製品のPR色も強いのですが、まあその分入場料も安かったりしたので良かったのかな、と。1,2年前はライブも活発でしたが、最近の活動状況はどんな感じなんでしょうかねえ。