ザバダック(ZABADAK)が今年結成20周年を迎え、20周年記念ベスト盤「20th」を7月19日にリリースします。今回のベスト盤は、吉良知彦自身の選曲でこれまで所属したレコード会社5社横断の選曲になっているほか、現在は入手困難の初期のシングル収録曲も含まれるので最近のファンには嬉しい内容でしょう。10周年のときにも「decade」というベスト盤を出していますが、それからもう10年なんですね・・・。上野洋子が脱退したときにこれで終わりか、と正直思いましたが、もう上野洋子がいた期間のほうが短いくらいという息の長い活動歴になりました。打ち込み中心でライブの評判は当初芳しくなかったですが、1989年頃から金子飛鳥らの協力の下ライブバンドとしても頭角を現し、現在に至っています。
さて、そのザバダック、ライブやサントラなどもあわせると30枚ほどのアルバムを出していますが、個人的には「飛行夢」「遠い音楽」「桜」「ikon」あたりに思い入れが深いです。一枚選ぶなら「飛行夢」。2枚のミニアルバムとCMソングの寄せ集めのアルバム1枚を出していただけだったザバダックが本格的なアルバムとして初めて制作したのがこのアルバムで、現在に至るまでのザバダックの路線を決定付けた記念すべき作品であると言えるでしょう。アルバムとしての完成度の高さは次の「遠い音楽」に譲る部分もありますが、個々の楽曲の出来はきわめて高水準で、発売から17年経った今でもまったく古びることなく、今も光り輝いているアルバムです。