大御所ケンソー(KENSO)の新作に対して傑作などというのもおこがましい感じですが、4年ぶりのスタジオアルバム「うつろいゆくもの」は久々に初期のケンソーファンを満足させる傑作ではないでしょうか?
私はケンソーのベストは2ndだと今も思いますが(そう思うファンも少なからずいるはず)、清水氏自身はあまり古い作品を褒められるのは好きではないらしく、現役ミュージシャンとしては当たり前の反応かもしれませんが「今の俺達を見てくれ」という強いメッセージを発しているように思えます。
もちろん常に現役最右翼のプログレバンドでありつづけるケンソーのことですから、新作は常に新鮮でどれも名作の誉れ高いものではありますが、そうは言ってもやはり私には2ndを越えるどころか並ぶものさえないと思っております。とくに「夢の丘」以降は。一方ライヴはライヴで過激さを増し、挙句の果てにここ数年はフラメンコまで。いったいこれは・・・? と、思っていたところに今回のアルバムです。初期ナンバーを思わせるような曲想のものもあり、それを一流ミュージシャンたちが最先端の機材で演奏してる、とそんな印象も受けました。ここしばらくのアルバムの中では一番好きかも知れません。
アルバム発売記念ライヴは10月22日クラブチッタにて。