PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

「突撃!博多愚連隊」(石井聰亙DVD-BOX)

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石井聰亙の初期作品がDVD-BOXセットとして発売されました。初期6作品と特典映像DVD、「爆裂都市」サントラCDという豪華セットで、改めてじっくりと作品に触れる良い機会かと思います。発売当日はオールナイトの上映会も実施されたようですが、私はのんびりと一作ずつ見ております。

まずは「突撃!博多愚連隊」。石井聰亙の初期作品は、暴力衝動と表現欲求を無理やりに映像として結実させたような作品が多いですが、その中でも「狂い咲きサンダーロード」と並んで映画としての完成度が比較的高いのがこの「突撃!博多愚連隊」でしょう。博多弁で地元の人以外には意味の分からないセリフ、登場人物の演技なのか地なのかわからない動きと、計算ずくなのか偶然なのかわからないような独特の不安定なカメラワークなど、見所満載です。あ、あと音楽も。ストーリーはとくに優れているわけではないですが、破滅の美学というか、そういう哀しみみたいなもんがほんとうによく伝わってくる、不思議な感動があります。制作に何十億もかけても、このようなみなぎる力を持った映画を撮るのは難しいと思います。金をかければかけるほど、表現者の個性は埋没するし、個性のぶつかり合いで昇華する偶然の完成度みたいなものは生まれなくなりますから。