フィンランドのプログレバンドXLにも在籍していたヴィブラフォン奏者アトゥ・タカロ(ARTTU TAKALO)が2006年に発表したソロアルバム「Dark, Dark, Dark」が国内盤でもリリースされました。XLもフィンランドらしい優れたプログレバンドでしたが、今回のソロはXLの諸作を凌ぐ名作ジャズロックアルバムに仕上がっています。プログレ色はそれほど強くなく、やや軽めのフュージョン風なところに抵抗感のある人はいるかも知れませんが、親しみやすい甘いメロディを、現代的で洗練されたアレンジ、テクニカルな演奏で聴かせてくれるのですからたまりません。また、このアルバムをより個性的にしているのは、ミディ・ヴァイブ。スクエアの魅力を支えるのがウィンドシンセEWIであるように、ミディ・ヴァイブの独特の響きが、作品の魅力を高めているのは間違いないでしょう。今年聴いたアルバムの中では、ベスト、かも。