CDJournalにストーム・ソーガーソン(Storm Thorgerson)に関するコラム「巨匠ストーム・トーガソンって?」 が掲載されています。ユーミンなんかも手がけているんですね。
ヒプノシス(Hipgnosis)といえば、プログレファンならずとも、ロックファンにはお馴染みどころではないデザイナー集団で、その中心人物がストーム・ソーガーソン。イラストレーターのロジャー・ディーン(Roger Dean)や写真家のマーカス・キーフ(Marcus Keef)らと並んで、ミュージシャン以外の"プログレ"アーティストとして有名なデザイナーです。ロジャー・ディーンのファンタスティックなイラストのジャケットもプログレのイメージにぴったりですが、ヒプノシスの超現実的で、ある意味シュールな構図のアルバムジャケットもミステリアスで妖しい雰囲気を十二分に伝えるすばらしいデザインが多いです。
私がヒプノシスのジャケットの中で好きなのは、ピンクフロイド「ウマグマ」です。窓際にたたずむけだるげなところと窓の外の庭でのんきな体操しているところの対比、合わせ鏡のように(でも微妙に変わりながら)永久に続いていくかのように見える壁の写真、それらを一体として瞬間を切り取った全体の構図と、音楽を聴く前からイメージを掻き立て、音楽を聴いてまたイメージが膨らむ、というジャケットアートととの理想的なスパイラルを形成しているデザインだと思います。個人的には、音楽面においても、とくにライブパートが、ピンクフロイドの諸作の中でももっとも好きな作品であります。