日本のプログレバンド、フロマージュ(FROMAGE)はアルバムとしては84年「Ondine」、88年「Ophelia」の2作を残したのみですが、活動期間は比較的長かったように思います。上記のアルバム制作時にはすでにメンバーではないものの永川敏郎(ノヴェラ、ジェラルド、アースシェイカー)や中嶋一晃(ページェント、浪漫座)などが在籍していたことでも知られるバンドです。2nd全曲+1stから2曲(「月に吠える」「Ondine」)を収録してベスト盤CDとして1990年にリリースされたのが「月に吠える」。その後1stも2ndもボーナストラックを加えてCD化されたので、いまはあまり価値がないかもしれませんが、発売当時はフロマージュが聴ける唯一のCDで、かなり聴きこんだ覚えがあります。
いま思えば、フロマージュはB級といえばB級かもしれず、ベタベタな甘さも好き嫌いを分けそうですが、おもわず口ずさんでしまうほどのキャッチーなメロディーでアニメの主題歌風(あと歌詞やテーマが少女漫画風)なところも含めて、私はかなり好きです。フルートがフィーチャーされたシンフォニックな演奏の部分も、ジェネシスあたりの甘い部分だけが好きな人には気に入ってもらえるはず。
なお、フロマージュのアルバム2作品はめでたく紙ジャケCDとなって再発売されます。2作品とも一度CD化されており、とくに改めてのリマスタリング等の告知はないので、音源としては同一のもののようですが、以前のものは廃盤でしょうから、コレクターならずともこの機会にお買い求めいただくのがよろしいかと。