このたびめでたくCD再発となったハンター・マスケットのレア盤1stからのつながりでラー・バンド(RAH BAND)というものを聴いてみたのですが、この二つをつなげるのはずいぶん無理があるな、と思うのは聴いた後でして、同じ人が関わった音楽といってもまるで両極端ていうくらい違いますが、私は正直どっちも好きです。
このラー・バンド、上記のハンター・マスケットのほか(ほかというかハンター・マスケットはもっともマイナーな部類と思われ)、ビートルズやスーパー・トランプ、最近だとタヒチ80なんかのアレンジ、あとプロレスファンにお馴染みの「スカイ・ハイ」(ジグソー)を手がけているアレンジャー、リチャード・アンソニー・ヒューソン(Richard Anthony Hewson)が作った自らのバンド。というかほとんど打ち込みみたいですが。数枚のアルバムのほか多数の12インチシングルをリリースしているようで、クラバーたちから熱いまなざしを受けてきたアーティストのよう。
音の方は、ひとことで言うなればチープなシンセを使った宅録テクノポップでして、アンニュイな女性ボーカルと80年代のスペイシー風なアレンジが絶妙です。オリジナル版とリミックス版が収録されている「Clouds Across the Moon」なんか、南の海というより、温水プールでたゆたうような人工的かつチープな浮遊感がたまりませんね。
レミントン・スーパー60(Remington Super60)とか砂原良徳ソロとか非常に近いものを感じましたですが、きっとラー・バンドの影響受けているんでしょうね。