JEAN PIERRE ALARCEN関連作が9月25日に4枚一挙に紙ジャケCDで再発されます。SANDROSE、ソロ1stと2nd、そしてEDEN ROSEです。ソロは1st&2ndのカップリングも出ていますし、いずれもこれまでCD化されており、現在も入手困難なものではないです。
悩みどころは、EDEN ROSE。SANDROSEの前身とも呼ばれるとおり、ALARCENだけでなく、キーボードのHenri GARELLAも参加するバンド。今回の再発ではボーナストラックが2曲収録される模様。MUSEA盤ではボーナス1曲だったので、もう1曲増える・・・(アルバム収録曲「Traveling」のシングルバージョンですが)。どうしよう?
そのEDEN ROSEですが、今回再発されるアルバム「On The Way To Eden」(1970年)が唯一の作品。もともとキーボードトリオだったところにALARCENが参加したという経緯もあってか、キーボードが幅を利かしています。ALARCENのギターもその後のものと比べるとやや粗削りな部分はありますが、作品としては、ジャズ的な要素をところどころ感じさせながらも全編オルガンが鳴り響く、躍動感あふれるインストプログレアルバムであり、ALARCEN関連作としてというより、ALARCENなんかは関係なしに気持ちのいいアルバムです。1曲目「On The Way To Eden」のオルガンのイントロやラストのピアノとの掛け合いもいいし、「Sad Dream」で聴ける錆びた叙情派ギターもいいです。オリジナルアルバムとしては最後の曲となる「Reinyet Number」の徐々にフェイドアウトしていくラストも魅力的です。
SANDROSEの唯一のアルバムは一般的にはかなり高い評価を受けているとおり、プログレとしても優れた音楽性を有しているわけですが、私はあの絶叫系(?)女性ボーカルがあまり好きではなく、ボーカル抜きのSANDROSEがあればいいのになあと真剣に考えたりしてますんで、その意味でもEDEN ROSEがいいです。同時リリースのALARCENのソロの方は手放しで大推薦でして、テリエ・リピダルなんかを思わせるようなクールで静謐な演奏と、壮大で深みのある楽曲とのバランスが美しい、シンフォニック・ジャズロックアルバムの名作です。ALARCENの真骨頂はこのソロでしょう。