ブラジルのフュージョングループ、アジムス(Azymuth)というと私にとってはNHK FMの「クロスオーバーイレブン」のオープニングテーマ曲「フライ・オーバー・ザ・ホライズン(Fly Over The Horizon)」。まだ子供だった私にとって、夜中の11時に部屋で一人でそっとFM番組を聴くなんてのはずいぶん大人びてかっこいいいことだと思っておりまして、まあそのかっこよさの象徴みたいなのがこの曲であります。長い間、曲名も演奏者も知らずにおりましたが、10年位前にようやくアジムスの曲ということがわかって、アルバムなども聴き始めたのですね。
で、アジムスというと、まさにその曲に代表されるような、フェンダーローズがとてもうまくてうつくしい、メロウなフュージョンを奏でるグループなわけですが、1975年リリースのこのデビューアルバムは若干雰囲気が異なります。名義もAzymuthではなくAzimuth。歌物も収録されており、アルゼンチンあたりの最良の歌物プログレに近いような内容で、これはこれでいい。温かみのあるどこかほのぼのとさえしている曲にはやや時代がかった印象もうけますが、それが魅力ともいえるくらいです。