PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

リト・ヴィターレ1981年のソロ第1作

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アルゼンチンを代表するプログレアーティスト、リト・ヴィターレ(LITO VITALE)が1981年に発表したソロ第1作 「Sobre Miedos, Creencias Y Siperstriciones(邦題「遥かなる道程」)」。リト・ヴィターレは1970年代にミア(MIA)という、これまたアルゼンチンを代表するプログレバンドを率いて活躍しておりましたが、ミアは3枚のスタジオアルバムと1枚のライブアルバムを残して1980年に解散。解散後のソロデビュー作がこのアルバムというわけです。コーラスや呪文的なボイスは入るものの基本的にはシンセを中心としたインスト作品で、全体の雰囲気は映画音楽やヒーリングミュージック的なところもありますが、味のあるキーボートの音色や、幻想的かつドラマチックなアレンジはプログレバンドを経てきたミュージシャンならでは。1曲目「Baguala De Los Hueseros(荒馬)」からいきなり10分以上の大曲で、これがまるでシンフォニックロックのお手本のような感動的な曲で、その後も全6曲、壮大なイメージの美しい曲が続きます。CD化に際し4曲のボーナストラックを収録。こちらもシンフォニックな要素を持ったジャズロック的作品です。Office Chipmunkのレビューにもあるとおり、フィンランドプログレアーティスト、ペッカ・ポホヨラ(PEKKA POHJOLA)に近い雰囲気もあります(とくに「EVERYMAN」あたりに近い)。

リト・ヴィターレの公式ホームページのディスコグラフィを見るとソロ、バンド等合わせて48枚ものアルバムがリストアップされており、その国の最重要人物であると同時にジャンルを超えて多産し過ぎていて着いていけないという意味において隣国ブラジルのマルカス・ヴィアナ(MARCUS VIANA)と並んで南米プログレ界の重鎮という感じです。このソロデビュー作も完成度の高い名作だと思いますが、残り数十もの作品のうち、プログレファン向きの作品はどれなんでしょうか?