フィル・コリンズが復帰することで再結成となったジェネシス(GENESIS)の2007年ヨーロッパツアーを収録したライヴアルバム「Live Over Europe 2007」。私自身はピーター・ガブリエルが好きなわけでもないのに、ジェネシスに関してはピーガブ原理主義者(?)で3人ジェネシスは長い間認めてこなかったので、今回の再結成もあまり関心もなかったし、だから去年11月にこのライヴアルバムが出たときも買いもしなかったのですね。しかし、輸入盤店がよくやるまとめ買いセールで、あと1枚買えば25%引き!みたいな誘惑に駆られ、なんでもいいからもう1枚と思って買ってみたところ(なんと失敬な!)、70年代の曲が多く取り上げられているせいもありますが、なんともいいライヴでこれまで食わず嫌いを恥じてしました。
で、聴きつつ思ったのが、いま聴いても素直にいいと思えることに一番貢献しているのがトニー・バンクスのキーボードかな、ということ。ジェネシスというと、ピーガブの独特のセンスもありますし、むしろソロでジェネシスらしさを表現したともいえるアンソニー・フィリップスやスティーヴ・ハケットがおり、彼らのいないジェネシスなんて、と長いこと思っていたのは事実です。フィル・コリンズは、魅力的なシンガーとしてジェネシスのフロントに立ってきた人ではありますが、ソロやブランドX(Brand X)での活動からもわかるとおり器用で多才の人もありますが、ジェネシスをジェネシスたらしめているのが彼かというとそれは違うのかなと思います。プログラミングもあるでしょうが、トニー・バンクスの演奏を今回のライヴアルバムで聴いて、オリジナルメンバーの二人、とくにトニー・バンクスの存在の大きさを改めて感じた次第です。
来日公演はあるのでしょうか? この曲目なら、ぜひ行きたい、と思います。