PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

ヴァーミリオンサンズの名作がロシアで再発

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故・蝋山陽子が在籍していたイリュージョンタイプのプログレバンド、ヴァーミリオンサンズ(Vermilion Sands)が1987年に発表した唯一の作品「ウォーターブルー(Water Blue)」がMALSというロシアのレーベルから再発されています。内容自体はMUSEA盤と同じで、発表時LP収録曲+ライヴ4曲という構成で、リマスターなどがされているわけでもないようなので、MUSEA盤の再プレスに近いという理解で間違いないようです(店で話を聞いて、結局私自身は買わなかったので・・・)。

哀愁を感じさせるロマンティックなメロディとボーカルが、甘く切ないギター、温かさと奥行きを感じさせるシンフォニックなキーボードによって際立っています。「時の灰」「IN YOUR MIND」「LOVE IN THE CAGE」など何百回、何千回聴いたかわからないほど思い入れのある曲です。

ボーカルの蝋山陽子はこのあとトラッドをカバーしたソロアルバム「SUNNY DAYS」をリリースしたり、キャメル(CAMEL)のカバーバンドブレスレス(BREATHLESS)、シータ(THETA)のメンバーとして活躍していましたが、作品としてリリースされたものの中では、ヴァーミリオンサンズの蝋山陽子が一番いいと思います(ライヴセッション等も相当たくさんやっていたようで、WEBで公開されている音源を聴くとこちらもかなりいいみたいですが)。

このアルバムは、ページェント「螺鈿幻想」(1986年)、ミスターシリウス「バレンドリーム」(1987年)と並んで、私の中のプログレベスト3の1枚でもあります。これらがすべて、同時期・同国籍、しかもレーベルまで同じ(メイドインジャパン)なのは、必然かもしれません。プログレ冬の時代だった80年代、レア盤が次々とCD再発される直前で、当時は比較的メジャーな作品でさえ一般店の店頭では入手できなかった時代にあって、これらの作品が、過去の名作のエッセンスを凝縮しつつ、新たな価値を付加して提示してくれた、ポストプログレとしてのプログレに他ならなかったからです。今でも正直この3枚は、海外の先駆者たちの名作アルバムのどれよりも好きなのです。