米ミシガンのAORバンド、ニンバス(NIMBUS)が1980年に1000枚限定で自主制作し、メジャーシーンではまったく語られることのなかった作品「Children of the Earth」がP-VINEより紙ジャケCDとしてリリースされました。レコードコレクターズの1999年9月号「AOR特集」で紹介されてからはマニア垂涎のレアアイテムとして高値取引されていた模様ですが、めでたくCD化のはこびとなりました。私はというと、「メロウで洗練されたサウンド」「ジャズ・ロックやプログレ的なテイストも」という紹介文に惹かれたのはもちろんですが、"知られざる激レアアイテムのCD化"という事実そのもので相当加点したうえで購入に至ったものです。
そうした不順な動機ではあるものの、なかなかの名盤。宣伝に違わず、エレピなどのキーボードを多用した黄昏感(これをメロウというのでしょうか)いっぱいのジャズロックテイストの曲で、全曲ボーカル曲ですが、紳士的な男性ボーカルは曲のイメージにもしっかり合っています。
バンドの中心人物でキーボードとボーカルのマーク・グローヴァーは既に故人とのことで、30年の時を経て突如日本でCD化というのもあの世でぶったまげていることでしょうが、ライナーノーツの記載によれば、録音済みの未発表2ndもあるようで、この1stの再評価如何によっては、そちらの方も陽の目を見ることがあるのではないでしょうか。期待大です。