PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

リンダ・パーハックスのアシッド・フォーク名盤

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リンダ・パーハックス(Linda Perhacs)の唯一の作品として1970年にリリースされた「Parallelograms」。今回SUNBEAMレーベルより、既存の再発モノに収録されているものにさらに追加のボーナストラックを収録して何度目かのCD化となりまして、ようやく聴いたのですが、これが自分の中での想像を上回るすばらしい内容でした。

オリジナルは超レア盤として有名な米アシッド・フォークです。過去にも未発表曲をボーナストラックとして追加してCD化もされており、音自体もすでに広く知れ渡った上で相変らずの高い評価が定着しています。

きれいごとだけでは済まされない幻惑サイケデリックの要素と時折ブルージーな雰囲気を見せるなどレア盤らしい散漫さも一部にはありますが、ボーカルは、チューダー・ロッジ、メロウ・キャンドル、スパイロジャイラなどブリティッシュ・フォーク3種の神器と呼ばれる女性ボーカルの名作群にも引けを取らないどころかむしろ上回るとさえいえる美しさ。全体としてはそれらが渾然一体となったあたりが魅力でしょうか。

私が最も気に入ったのは、邪道というか、本アルバムの本質的な魅力を代表するものではないかもしれませんが、ボーナストラックの「If You Were My Man」。これはイリュージョンをほうふつとさせるような切ないボーカル曲。録音が悪いのかマスターが悪いのか、それとも狙いどおりなのか、どこか遠くで鳴っているようなピアノをバックにしたボーカルの多重録音の曲で怪しくも美しい名曲です。


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