PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

マルチの方のアストゥーリアス新作「樹霊」

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マルチの方のアストゥーリアス(Asturias)15年ぶりの新作「In Search of the Soul Trees (樹霊)」がリリースされました。活動形態と活動時期からマルチとアコースティックとエレクトリックとわかれてはいますが、新作は、80年~90年代の3作の単なる延長上の作品というよりは、アコースティックとエレクトリックのエッセンスを凝縮した作品で、本人が言うところの「マルチアス」がふさわしいと思いました。

今回の作品では、シンセやプログラミングは多用されているものの、さまざまなゲストミュージシャンの演奏も含む多重録音作品としての厚みというか重みのある内容となっています。曲もアストゥーリアスらしい親しみやすいメロディアスな要素は残しながらも、ロック的(あるいは多重録音なのに変な表現ですがバンド的)な印象が強くなっており、「プログレらしさ」としても前3作以上といえるのではないでしょうか。現アコアスのメンバーも全員ゲスト参加していることからも、複雑な展開の濃厚なチェンバーサウンド的な面も出ていますし、花本彰によるメロトロンや津田治彦らゲストギタリストのエレキギターなどは時に攻撃的でさえあり、単に聴きやすい癒し系とは明らかに一線を画しています。

マイク・オールドフィールド「チューブラーベルズ」へのオマージュという点は、かつてのアストゥーリアスでも否定していない部分ですが、今回の作品では単なるオマージュを超えたアコアスでの活動をも踏まえたアストゥーリアス集大成的な傑作アルバムだと思います。

<参加ミュージシャン>
ギター:津田治彦(新月)、栗原務(LU7、元グリーン)、平田聡(FLAT122)
メロトロン:花本彰(新月)
ピアノ:川越好博(アコアス)
クラリネット:リコーダー:筒井香織(アコアス)
ヴァイオリン:伊藤恭子(アコアス)、北辻みさ
パーカッション:Shigeso Sasaki、那須野綾
ボーカル:いとうかなこ、Hassy
ギター、ベース、マンドリン、シンセ:大山曜