ソ連を代表するプログレ大作、エデゥアルド・アルテミエフ(EDUARD ARTEMIEV)とブーメラン・アンサンブル(BOOMERANG EMSEMBLE)の「WARMTH OF EARTH」が再発売されています。エデゥアルド・アルテミエフは、「ソラリス」をはじめとするタルコフスキーのサントラや、モスクワオリンピックの音楽を手がけていることで世界的にも知られた音楽家で、それらの諸作もプログレファンから高い評価を受けていますが、プログレとしての代表作は言うまでもなく本作でしょう。ほかにあまりメジャーな作品がないソ連の作品なのでソ連を代表するプログレアルバムであるのはもちろんのこと、1980年という世界的にはプログレ冬の時代にリリースされた作品であり、80年代の傑作の一つに挙げてもよいのではないでしょうか。内容的には、シンセやコーラスを多用した壮大なシンフォニックロック。シンセの音色やアレンジは、やや時代がかっているというか時代遅れな感じもしますが、今となってはそれも魅力の一つです。
私がこの作品に出会ったのはたしかソ連崩壊前の1980年代後半、今は亡き神保町の新世界レコードで購入した覚えがあります。ソ連にはもともとインディーズなど存在しえず、すべてのレコードが国営レーベルであるメロディアからのリリースされていたこともあってか、リリース後数年以上経っても廃盤にもならず、レア盤ということもなく、リリースから数年たっても簡単に入手できたのだと思います。
今回の再発は、SHM-CD、リマスター、紙ジャケ、ボーナストラック付き。ボーナストラックは、Birth Of Earth、Who I Am!、Hope、Hymn To Manの4曲のOriginal LP Version。私はメロディアのLPも、MUSEAの再発CDも聴いていながら気付かなかったのですが、どうやらCD化に際し、何曲かはニューバージョンで収録され、今回オリジナルバージョンがボーナスとして追加ということのようですね。例によって買うかどうか悩み中。