PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

弦楽四重奏プログレカバー、モルゴーア・クァルテット「21世紀の精神正常者たち」がすごい

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2012/6/20にリリースされたモルゴーア・クァルテット「21世紀の精神正常者たち」がすごいです。ジャケットもすごいですが(メンバー4人の顔写真のパーツを合成したものだそう)、すごいのはジャケットだけではありません。

なんと、「21世紀のスキッツォイド・マン」「クリムゾン・キングの宮殿」「スターレス」(キングクリムゾン)、「月影の騎士」(ジェネシス)、「悪の教典#9 第一印象・パ-ト1」(ELP)、「マネー」(ピンクフロイド)、「And You And I」(イエス)等の往年のプログレの名曲群を、2本のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽四重奏でカバーした"ロック"アルバム。弦楽四重奏だけど"ロック"というとこがポイントです。

百聞は一見に如かずで、YOUTUBEの「21世紀のスキッツォイド・マン」PVや、特設サイトの「スターレス」等のサンプル音源をまずは聴いてみていただきたいと思います。いかがでしょう? これまでもロンドン交響楽団による「シンフォニック○○」シリーズで、ジェネシスやイエス、ピンクフロイド、ジェスロタルなんてのがありました。ただ、それらはロックの曲をあくまで"クラシック"として編曲・演奏するというもの。このアルバムのすごさは、弦楽四重奏なのに"ロック"なとこなんです。

特設サイトで、モルゴーア・クァルテットの荒井英治氏が自ら、なぜ弦楽四重奏でプログレカバーをやるのか語っています。「ロックが内包するスピリットは人間が人間らしくありたいための叫びである。20世紀の音楽を社会との結び付きで考えるならば、ロックを避けることはできるだろうか?」と。たかみひろし氏が解説しています。「彼らはエレキ・ギターにキーボード、そしてベースやドラムといった楽器の代わりに、ヴァイオリンやヴィオラ、チェロといった生楽器で(プログレのカバーとはいえ)本気でロックを演っているのだ。」と。

これは今年度のプログレ界(そんなもんあるんかな?)最大級の収穫である。続編をあと10枚くらい出してほしい。個人的にはジェネシスの「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ」、キングクリムゾン「風に語りて」(フルートソロのとことか)をぜひ聴きたいです!

<収録曲>
1.21世紀のスキッツォイド・マン(Twenty First Century Schizoid Man/King Crimson)
2.月影の騎士 (Dancing With The Moonlit Knight/Genesis)
3.悪の教典#9 第一印象・パート1 (Karn Evil #9: 1st Impression-Part 1/Emerson,Lake&Palmer)
4.太陽讃歌 (Set The Controls For The Heart Of The Sun/Pink Floyd)
5.マネー(Money/Pink Floyd)
6.メタルマスター(Master Of Puppets/Metallica)
7.アフターグロウ (Afterglow/Genesis)
8.クリムゾン・キングの宮殿 (The Court of the Crimson King/King Crimson)
9.同志~人生の絆、失墜(And You And I ~Cord Of Life, Eclipse/YES)
10.暗黒 (Starless/King Crimson)

そして、このCDを聴くと、これを生でぜひ聴きたい、と思う訳ですが、ライブあります。でも東京公演は完売です。浜離宮朝日ホールは550席のホール(プログレ的に言うとチッタ級)とそこそこの席数のようですから、プログレファンというよりはモルゴーア・クァルテットの元からのファンが大勢いるのでしょうかねえ。このライブに行けないのは本当に残念無念!

<モルゴーア・クァルテット「21世紀の精神正常者たち」アルバム発売記念公演>
2012年6月26日(火) 福島市音楽堂 問:福島民友新聞社事業局 024-523-1334 詳細
2012年6月27日(水) 浜離宮朝日ホール 問:ミリオンコンサート協会 03-3501-5638 詳細
2012年6月29日(金) 大阪ザ・フェニックスホール 問:ヴォイシング 06-6451-6263 詳細

また、モルゴーア・クァルテットは1998年にも「Destruction~Rock meets Strings~」という作品があるようで、イエス(「ラウンド・アバウト」や「シベリアン・カントゥル」等)、ピンクフロイド(「原子心母」)、キングクリムゾン(「太陽と戦慄パート1」等。「21世紀の精神異常者」も)のカバーをやってるぽいですね。こちらも残念ながら廃盤のようですが、探して聴いてみたいと思います。

◇日本コロムビアの特設サイト

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21世紀のスキッツォイド・マン / モルゴーア・クァルテット