PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好きです。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌を集めてたり。最近は和モノAORやアイドルもよく聴いてます。twitter: @ProgRockAddict

プログレ本:総力特集 プログレッシヴ・ロック 日本人に愛される理由

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別冊カドカワ treasureのVOL.1として2012年9月5日に発行されたのが「総力特集 プログレッシヴ・ロック 日本人に愛される理由」。周辺領域も含めた多彩なプログレ関連インタビューなど読み応えあり。後半約半分はディスクガイドという構成で、全209ページ、1995円也。

今年3度の来日で公演日数も2ケタとなるジョン・ウェットンや、ソロ、バンドで続けて来日したピーター・ハミルなどのプログレど真ん中な人たちの話も面白いですが、この本のインタビューの面白さは周辺人脈の方でしょう。

特に上原ひろみにズバリプログレ観点でインタビューしているのはこれまであまり見たことがなく、面白かったです。今や世界の上原ひろみですが、世界各地でのライブでも一定数プログレファンがいてプログレの話題を持ちかけられることも多いらしく、プログレ観点のインタビューもまんざらではないようでした。

弦楽四重奏でのプログレカバーが大評判となったモルゴーア・クァルテットの荒井英治のインタビューも興味深いです。「21世紀の精神正常者たち」の制作に至る経緯や、ハイドン、シューベルト、モーツァルト、べートーベンが18世紀末~19世紀のウィーンで活躍していた奇跡と、プログレ5大バンドが1970年代イギリスで黄金期を作ったことを対比した話など、多分にネタではありますが、面白かったです。

その他、表紙イラストを手掛けた永野護の「プログレに冷たい」発言(プログレは好きでも懐メロ再結成のライブには行かないとのこと)や、みうらじゅんのピンクフロイド「童貞宇宙観」説なども絶妙です。

反面がっかりなのは(毎度のことながら)ディスクガイド。限られた紙面で少ない枚数を紹介する中で、大所は外せないし、キワモノを入れようものなら偏っているとの批判も免れないという難しさはあると思いますが、それにしてもという感じですね。英伊の懐メロ再結成は盛り上がっても国内現役バンドに冷たい読者に阿った結果なのか、そもそも制作側が新しいものに冷たいのかわかりませんが、80年代以降のものがほとんど取り上げられていません。南米無視というのもなかなか大胆。私がメジャーマイナー/新旧にかかわらずが比較的まんべんなく聴いている日本でいっても、KENSO、MR.SIRIUS、ASUTURIS、KBBあたりが落ちているのは理解できないですね(KENSOは概要中に言及あり)。日本人がプログレ好きであることは認めても、日本に現役かつ世界的クオリティのプログレバンドがいることは認めたくないという何か強い意志さえ感じでしまいます。

ちなみに本書で紹介されている日本のプログレ12選は下記。四人囃子/一触触発(1974)、コスモス・ファクトリー/トランシルバニアの古城(1973)、カルメン・マキ&OZ/同(1975)、ザ・ハプニングス・フォー/引潮・満潮(1971)、ファーラウト/日本人(1973)、フラワートラベリンバンド/SATORI(1971)、マジカル・パワー・マコ/マジカル・パワー(1974)、トゥーマッチ/同(1971)、美狂乱/パララックス(1983)、スペ-スサーカス/ファンタスティックアライバル(1979)、新月/同(1979)、フライドエッグ/Dr.シーゲルのフライドエッグマシーン(1972)。

◇巷のディスクガイドに憤激して作った
※個人の趣味に基づくものでこれが客観的に公平だなんて思ってませんし、これと合ってないからセレクトがおかしいという意味では全くありません。