
世界初CD化というローリー・ハロウェイ「Cumulus」。「”エレピ天国”が展開されている、まさに、英国産メロウ・ジャズグルーヴの最高峰」といった惹句に見事に釣られて注文してみました。作品はおろかアーティストも初めて耳にするものでしたし、実際に音を聴くまではそれほど大きな期待は抱いてなかったのですが、一聴してその印象は激変しました。これでもかと迫るメロウネス、宣伝コピーに偽りなしのメロウ・ジャズグルーヴの名盤です。
エレピとスキャットが活躍するあたり、フランスのコルテックスの1st「Troupeau Bleu (1975)」がありますが、それに勝るとも劣らぬ出来。コルテックス同様、ジャズ、ロックなどの要素を巧みに取り入れた結果ジャンルレスな仕上がりになっているところが逆に時を経ても鮮度を失わない理由かもしれません。
ローリー・ハロウェイは1938年生まれの英国人ピアニスト。本作は彼が1979年に自主制作したものとのこと。私同様に今回のCD化で初めて耳にして感動しているリスナーはいるようですが、それ以前にこの作品がCD化を待望されていたメジャー作品であったとは言えず、まさに知る人ぞ知る隠れた名盤だったのでしょう。
Laurie Holloway - Cumulus|プロダクション・デシネ(試聴可)
参加ミュージシャン
Laurie Holloway(Pf)
Dave Markee(B)
Barry Morgan(Dr)
Hugh Burns(G)
John Girvan(G)
Norma Winstone(Vo)
こんな素晴らしい作品を再び世に出したのは、神戸のセレクトCD・レコードショップ「プロダクション・デシネ」。私の好きなビアギッテ・ルスゥトゥエアの再発も手掛けていているので、ここのレーベルからの再発作品には好みが合うのかもしれません。今回の作品が93枚目のカタログとなるようなので、さかのぼって聴いてみようと思います。
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