PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好きです。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌を集めてたり。最近は和モノAORやアイドルもよく聴いてます。twitter: @ProgRockAddict

「ホドロフスキーのDUNE」 ピンクフロイド、マグマ、ギーガー、メビウス、ダリ!

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SF文学の不朽の名作「DUNE」の実現しなかった映画化構想を、監督のアレハンドロ・ホドロフスキーほか当時のスタッフたちへのインタビューを中心に構成したドキュメンタリーフィルム「ホドロフスキーのDUNE」が東京国際映画際で上映されました。来春劇場公開もされます。

音楽はピンクフロイドやマグマ、スタッフにはギーガー、メビウス、そしてサルバドール・ダリが役者としての出演を快諾していたという、超豪華なスタッフ、キャストで制作されるはずだった映画「DUNE」。「エルトポ」「ホーリーマウンテン」などの怪作の監督で知られるホドロフスキーが敬遠され、メジャーな映画会社からの出資を得ることができず制作を断念せざるを得なかったようですが、逆にホドロフスキー監督というネガティブな点を払しょくするために作られたという緻密な絵コンテの存在が、もしもこれが実現していたならすごい映画になったに違いないと確信させるもので、幻の名作とされている所以のようです。

後に「エイリアン」を作ることになるダン・オバノンが、ギーガーと出会うきっかけとなったり、また「Attahk」のジャケットを手掛けることになるギーガーがマグマと出会うきっかけになったりしたのがこの作品。バンドデシネ(フレンチコミック)の名作「アンカル」もメビウスが世に出なかったこの作品でのアイデアを生かしたものだということです。しかも、ギーガーは出演を依頼したダリからの紹介で、ホドロフスキーが指定したギーガーとの初対面の場がマグマのライブ会場とか、奇妙な連鎖がいろいろ出てきて面白いです。インタビューにはマグマのクリスチャン・ヴァンデも登場します。

フランク・ハーバートの原作「DUNE」は、観念的で映像化は簡単ではなく、監督にデヴィッド・リンチを起用した1984年の作品も、残念ながら失敗作だったと思いますが、今回のドキュメンタリ―を見て、もしもホドロフスキーのDUNEが実現していたなら、壮大な珍作として語り継がれたか、あるいはSF映画のその後を変えるくらいの名作になったかのどちらかであり、実現されなかったことが残念でなりません。

しかし、インタビュー主体の正統派のドキュメンタリーでありながら、出演者のキャラ立ち度がハンパなく、DUNEもホドロフスキーにも興味がなくても、十二分に楽しめるエンターテイメント作品になっていると思います。一番ウケたのは、自身が撮るはずだった「DUNE」の企画を、(おそらくは友人であり、その才能も認めている)リンチに取られ、見る気にもならなかったというリンチ作品をしぶしぶ見て、失敗作に喜ぶシーン。「これは大失敗だ!」と歓喜の声をあげるホドロフスキーが笑えます。

現在では世界に3冊(うち1冊は日本にある説も?)しかないという絵コンテ、これ出版してほしいですね。


◇ホドロフスキーのDUNE 


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