ナチコの約30年ぶりの復活ライブを観てまいりました。2013年11月27日、会場は汐留のライブハウスBLUE MOOD。10月30日に新作「Warming Up」をリリースし、プロデューサーでドラマーのそうる透以下、和佐田達彦(B)、武藤祐生(Vl)、田川ヒロアキ(G)、竹内亨規(G)、河野敬三(Kb)、響道宴(Per)のレコーディングに参加した個性派メンバーを従えてのライブです。
80席ほどの会場はほぼ満席。名うてのスタジオミュージシャンたちが結集しているので、そちら経由のファンもいたとは思いますが、年代的には40代以上、女性多め、プログレファンは少数という感じでナチコの復活を待ち望んでいたお客さんが多かったのではないかと思います。
最新作はかなりハードロックよりの骨太なロックアルバムに仕上がっていましたので、ライブでの表現がどのようなものになるのか期待していたところ、スタジオ作をさらに上回る重厚さでした。そうる透のパワフルなドラムに和太鼓までもが加わってますます迫力のリズムに竹内亨規のザクザクとリフを刻むメタリックなギターがまるでヘヴィメタルのよう。そこに武藤祐生のエレクトリックヴァイオリンや田川ヒロアキのギターが被さって時にスペイシーでもある叙情性が加味されて厚みを増してます。キーボードの河野敬三のプレイも、KENSOのライブにもサポートメンバーとして参加したこともあるプログレ巧者としての面目躍如といったところでしょうか。
1時間余の短めのライブでしたが、新作収録曲全曲に加え、新作にはセルフカバーとしても収録されていない初期の曲(1st「薬屋の娘」から「足跡を食べないで」や2nd「お花畑は水びたし」から「ア・スファルト」「無彩色の情景」)をヘヴィなアレンジで聴かせてくれました。
ナチコのボーカルもバックの演奏に負けないパワフルなものでした。1st~3rdでは透明感のある高音だけをフィーチャーした曲が多かったのですが、今回このバンドメンバーでこのアレンジにはむしろパワフルな方がしっくりきます。いや、それは逆で、ナチコの復活にあたってのボーカルスタイルも含めた表現欲求を実現した結果がこのアレンジ、このメンバーだったってことかもしれません。
旧作のスタジオ盤の再現を期待していたらそれはいい意味でもハズレでしたが、懐メロ期待に応えるのではなく、表現者として新たなスタートを切ったナチコのこれからにますます期待です。
◇ライブ参加者の感想
《Live》 2013/11/27 Nachiko Live 2013 @BLUE MOOD 30年以上の時空を超えて|Tokyo Live(2013/11/30)
◇旧作CD化のリクエスト先
復刻希望タイトル、アーティスト名、ご自身のメールアドレスを入力するだけ!リクエストには会員登録も何も必要ありません。
ナチコの旧作タイトル
・薬屋の娘(EPIC/SONY 25・3H-17)
・お花畑は水びたし(EPIC/SONY 27・3H-26)
・髪舞(EPIC/SONY 28・3H-59)