モルゴーア・クァルテットによる初の"プログレのみ"ライブ、2月10日に池袋・東京芸術劇場で開催された「なんでも!クラシック プレミアモルゴーア・クァルテット~イエス“危機”全曲版ほか~」を聴いてきました。
テレビ朝日55周年記念事業「なんでも!クラシック」6日間23公演のプログラムになぜか3つものプログレ関連公演が入ってまして、本公演もそのひとつ。これに先立つ2月9日には「プログレonクラシック第I章~ビックカメラpresents~」「プログレonクラシック第II章~ビックカメラpresents~」が行われてました。藤岡幸夫指揮、東京フィルハーモニー交響楽団演奏で、「エピタフ」とか「ウォッチャーズ・オヴ・ザ・スカイズ」やら「サスペリア」なんかやってたみたいです。
さて、10日のモルゴーアのライブは「待ちに待った衝撃のプログレ第2弾!それに先駆けること4ヶ月の独占先出し!!」ということで、5月リリースの新作に収録予定の新曲を世界初披露ということが事前予告されていました。
セットリストは以下の通り。
・太陽賛歌(Set The Controls For The Heart Of The Sun / Pink Floyd)
・原子心母(Atom Heart Mother / Pink Floyd)
・危機(Close To The Edge / Yes)
- 休憩(レコードを裏返す時間) -
・同志(And You And I / Yes)
・シベリアン・カートゥル(Siberian Khatru / Yes)
・悪の教典#9 第一印象パートI(Karn Evil 9: 1st Impression-Part 1 / EL&P)
・21世紀のスキッツォイドマン(21st Century Schizoid Man / King Crimson)
- アンコール -
・堕落天使(Fallen Angel / King Crimson)
今回の目玉は、イエスが1972年に発表した5thアルバム「危機」の全曲演奏。特に組曲「危機」はモルゴーアとしても初披露で、A面すべてを占める18分にも及ぶ曲をフルサイズでカバーするという暴挙。本家イエスもびっくりすること間違いなしの名演でした。レコードのA面→B面の合間ということで、あえてここで休憩をはさんで「同志」「シベリアン・カートゥル」。「シベリアン・カートゥル」は、今では入手困難のプログレカバー第1弾1998年リリースの「ディストラクション」に収録された佐橋俊彦によるアレンジでの演奏でした。
前半は荘厳で現代音楽風な雰囲気もある曲でしたが、後半はまさに弦楽四重奏ロックという感じのダイナミックな演奏で大興奮。「シベリアン・カートゥル」はイエスの中でも好きな曲で、とても楽しめました。
ラストに力を振り絞って演奏された「フォーリン・エンジェル」もアンコールにふさわしい名演でした。
私はモルゴーアの生体験は今回が初。荒井英治も好きと言うジェネシスの曲がなかったのは残念ではありますが、会場でも発表された5月リリースの新作に「シネマショウ」が収録されるということで、期待したいと思います。
再掲ですが以前のライブ動画も掲載しておきます(2013年5月26日山梨県笛吹市スコレーセンターで開催された三井住友海上文化財団派遣コンサートのもよう)。
◇モルゴーア・クアルテット
・荒井英治(Vn)
・戸澤哲夫(Vn)
・小野富士(Vla)
・藤森亮一(Vc)
◇モルゴーア・クァルテット~イエス“危機”全曲版ほか~|なんでも!クラシック
◇モルゴーア・クァルテット(MORGAUA QUARTET)