伊東ゆかりの1982年の和製AOR、シティポップスの名盤「ミスティー・アワー」。2014年6月に出たコンピレーションアルバム「LIGHT MELLOW 和モノ ビクター編 AVENUE」に本作から「マリコ」が初のCD収録されているのですが、監修者・金澤寿和がライナーノーツで「フル・アルバムのCD化も近く実現するに違いない」と書いています。
単なる楽観的予測なのか、本人(または周辺)が関わっていることによる確信なのか定かでないのですが、5月に筒美京平との共演盤「ふたたび愛を」、6月にグリーンジンジャーを従えた「LOVE」が出て、8月に「サン・レモのゆかり」が出るので(いずれも発売元はSHOWBOAT)、案外その次あたり出るのかもしれない、などと思ってしまいます。
林哲司プロデュース、竹内まりややEPOらが楽曲を提供し、難波弘之や井上鑑、村上秀一ら一流アーティストがバックを務める名実ともに極上ポップで、名盤との評価も定まっており、ビクターというメジャーレーベルから出ている作品にも拘らず、なぜか一度もCD化されていないのが不思議ですが、今度こそ?でしょうか。
捨て曲なしの全曲名曲なのですが、個人的には気になる曲は何曲かあります。竹内まりやが作詞作曲しコーラスでも参加した「恋人たち」。伊東ゆかりから影響を受けているという(そして実際声や歌い方も似ている)竹内まりやがおそらくは伊東ゆかりのイメージを壊さないように作ったのではないかと思われる、正統派バラードで地味ながら佳曲。一足早くコンピCD収録された「マリコ」もメロウなグルーヴを感じさせる代表曲だし、胸熱な「再会レストラン」も良いです。個人的に一番好きなのはA面最後の「SAYONARA」で、荒井由実「翳りゆく部屋」や竹内まりや「マンハッタン・キス」に匹敵する級の超絶名曲です。
伊東 ゆかり_MISTY HOUR (Part 2)|Music Avenue(2006/9/10)
Misty Hour / 伊東 ゆかり|At The Living Room Reloaded(2013/7/13)
◇SHOWBOATの伊東ゆかり再発シリーズ
サン・レモのゆかり(2014/8/25発売予定)
LOVE(2014/6/25発売)
ふたたび愛を(2014/5/20発売)