デイヴ・ギルモアが一部プロデュースで参加した「The Dream Academy」で1985年にデビューしたイギリスのロックバンド、ドリーム・アカデミー(THE DREAM ACADEMY)の2枚組ベストアルバム「The Morning Lasted All Day : a Retrospective」が2014年7月29日にリリースされています。
3枚のスタジオアルバムからの代表曲のほか、デイヴ・ギルモア参加の「Living in a War」「The Chosen Few」など未発表曲やアルバム未収録のシングルB面曲などレア曲、レアバージョンに、なんとびっくりの2014年新曲「Sunrising」まで全24曲を収録。日本オリジナルのベスト盤が99年に出ていますが、グローバルでは初となるベスト盤で、今回はリマスターもなされた決定版的内容です。
ドリーム・アカデミーはビルボードのシングルチャートで最高位7位を獲得した「Life in a Northern Town」だけの"一発屋"的に思われていることもあるようですが、1990年までに残した3枚のアルバムはどれも甲乙つけがたい傑作です。
海外では「DREAM POP」といったジャンルにくくられるとおり、オーボエなどアコースティック楽器を多用したアレンジとロマンティックなメロディが魅力のグループ。ニック・レアード=クルーズが十代のころから交流があったというデイヴ・ギルモアの参加で、ドリーミーなテイストも加わったネオアコという感じもあります。
本作品に収録されたかつて何度も繰り返し聴いた代表曲の数々は、もともとノスタルジックな気分に浸れるものが多いこともあって懐かしさも2倍。涙腺を刺激してくれます。未発表曲「The Chosen Few」は3rdアルバムのレコーディング中だった彼らのところにデイヴ・ギルモアがふらりとやってきてギターを録音していったというものらしいですが、デイヴ・ギルモアのギターはともかく、ポップな前半からハモンドが鳴り響くラストへの展開が美しい曲です。
最後に収録された新曲「Sunrising」は、ニック・レアード=クルーズとギルバード・ゲイブリエルの共作。繰り返される印象的なピアノのフレーズに、どこか遠くで鳴り響くようなギターやシンセが絡むトラックにニックの優しげな歌が乗り、往時のドリーム・アカデミーそのままの、心温まる佳曲。
その後ロジャー・イーノとの共作で名盤「THE FAMILIAR」を制作するケイト・セント・ジョン(KATE ST JOHN)がプロとしての本格的なキャリアをスタートさせたグループでもあるわけですが、新曲にそのケイト・セント・ジョンの参加がないことだけがとても残念です。
THE DREAM ACADEMY|REAL GONE MUSIC(本ベストリリース元レーベル)
Nick Laird-Clowes Facebook
Kate St John 公式
ドリーム・アカデミー 未発表曲や新曲を収めたリマスターコレクション盤を発売|amass.jp(2014/6/13)
あの人達は今~ドリーム・アカデミー編|CDJournal(2001/2/19)
◇ネット上のレビュー
THE DREAM ACADEMY「THE MORNING LASTED ALL DAY ― A RETROSPECTIVE」|POP SWEETS MYSTERY(2014/8/11)
The Morning Lasted All Day|ROAD TO NOWHERE(2014/8/5)
The Dream Academy - Life in a Northern Town (JPTV)