PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好きです。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌を集めてたり。最近は和モノAORやアイドルもよく聴いてます。twitter: @ProgRockAddict

2020年の音楽に関する私的メモ 2020ベスト10

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2020年ベスト10

今年はとにかく松田聖子を聴きまくっていました。80年代当時、あれだけ流行りましたのでCM曲など耳にしてはいるものの真剣には聴いてないので懐かしさはまったくなく、初めて聴くくらいな感じでした。松本隆ら一流作家の詞曲やプロデュースの評価も高いですが、個人的には最初期(三浦徳子が詞を書いていた頃)の声が本当に大好きです。

そのほかよく聴いたアーティストは、青葉市子、トワ・エ・モア、谷川理恵、中野麻衣子、大石学、Terje Rypdal、Trinus、adeieu、平岩英子、Neverlandあたり。

今年はディスクガイドを参考に非プログレ系の音楽を聴くことが多かったかもですね。中でも「オブスキュア・シティポップ・ディスクガイド」は「歴史の側溝に埋もれてしまった<知られざる>ライトメロウ盤」が多数紹介されており、大いに活用させてもらいました。谷川理恵、中野麻衣子、平岩英子はその影響です。

トワ・エ・モアにはまるきっかけは「オレンジパワーVOL.3 不思議音楽館」。鴉鷺の白鳥英美子が日本のアニーハスラムと紹介されていたのを見て。この本、本当は「マニアによる辺境音楽紹介雑誌」なので、私の活用の仕方が間違ってるかもしれませんが…。

ほかにも「ゲーム音楽ディスクガイド2」「ニューエイジ・ミュージック・ディスクガイド」「Das-Association(半年間で2号発行!)」などの出版があり、たいへん参考にさせていただきました。

ここ数年でgoogleのアルゴリズムがすっかり変わってしまって、古い個人ブログの評価が下がり、作品名やアーティスト名で検索すると、ECサイトのあまり意味のないページのリストが上位表示されるようになってしまい、ウェブ検索が役立たずになってきました。レコードやCDでは入手困難な作品もサブスクで聴けるようになったこともあり、紙の本のガイド本の有用性が上がった気がします。

 

2020年新作に限ってお気に入りを10枚あげるとすると以下のような感じですかね。

1. Trinus / HOME

2. 青葉市子 / アダンの風

3. 大石学 / なつかしい未来

4. 那由他計画 / つみびとの記憶

5. Fonte / MIKAZUKI

6. Terje Rypdal / Conspiracy

7. Louise Patricia Crane / Deep Blue

8. Altered states / Berling

9. Tigran Hamasyan / Call Within

10. Paris Match / ROUND 12

 

ライブは、リアルの会場は4回(MISIA@Billboard Live YOKOHAMA、Paris Match@Billboard Live TOKYO、原始神母@名古屋 Electric Lady Land、TRINUS@大塚GRECO)しか行けませんでした。一方配信ライブで印象に残るものも多くあり、特に秋葉原グッドマンでのライブはキャスティングもパフォーマンスも配信技術も最上でしたね。アシッドマザーズ、高円寺百景、サンヘドリンなど本当に素晴らしいライブでした。原美術館の青葉市子のライブも良かったです。もっともこれは事前収録で期間限定アーカイブ視聴可でしたので、有料オンデマンド的な感じでしたけども、その辺りも含めてエンタメビジネスのチャレンジの一つだったのでしょう。

どのライブも「映像化」はされているわけなので、このまま二度と見られないのはあまりにももったいないので、いずれDVD化でも有料配信でもやってほしいですね。

 

FM fan 1984年 No.10 - プログレ・ディスクガイド・ガイド(3)

FM fan 1984年 No.10

FM fan 1984年 No.10

かつてFM情報誌とういうものがありました。FMで放送される曲を録音するために放送予定曲まで記載された番組表と、音楽関連情報とで構成された雑誌です。FM fan(共同通信社)、週刊FM(音楽之友社)、FMレコパル(小学館)、FM STATION(ダイヤモンド社)と最盛期の1980年代には4誌が発行されていました。

 

各誌毎号充実したオーディオや音楽関連の情報が掲載されており、プログレ冬の時代でも稀にプログレ特集が組まれていました。

 

1984年4月23日~5月6日の番組表を掲載しているFM fan 1984年 No.10には、ロバート・フリップのインタビューに加えて20ページ近いプログレ特集が掲載されています。特集は、北村昌士による評論「再検討! Progressive "ART" Rock その起源と終息と…」、英国主要バンドのファミリーツリー、プログレ10大バンド紹介(5大+ゴング、マイク・オールドフィールド、ムーディ・ブルース、ロキシー・ミュージック、ソフト・マシーン)、ディスクガイド50選、「プログレ・ヒットチャート・ストーリー1967~1983」で構成。

 

「プログレ・ヒットチャート・ストーリー1967~1983」は、プログレ関連作のビルボードのアルバムチャート最高位をリスト化した資料です。1967年のプロコル・ハルム47位に始まり、1983年のロキシーミュージック「ハイ・ロード」71位まで、17年約140作品が掲載されています。キングクリムゾンの「宮殿」はビルボート最高位は28位だったとか、1位はジェスロタル(72年「ジェラルドの汚れなき世界」、73年「パッションプレイ」)、ムーディブルース(72年「セブンス・ソジャーン」、81年「魂の叫び」)、ピンクフロイド(73年「狂気」、75年「炎」、79年「ザ・ウォール」)とか眺めていると楽しいです。そういえば82年デビューのエイジア(1stはビルボード1位)の記載はないのは、なにかの意志かもしれません。


ディスクガイドとしては、「Best Of Progressive Albums 50」として、英プログレの50作品を掲載。5大バンドの代表作以外では、ソロ作品やカンタベリー系多めな印象。ブライアン・イーノ、デビッド・ボウイやロキシー・ミュージックなどの境界領域の作品も。元ベルベットアンダーグラウンドのニコのソロ「ジ・エンド」は、プログレ関連作としてはノーマークで聴いたことなかったので、聴いてみようと思いました。

 

End: Expanded Edition

End: Expanded Edition

  • アーティスト:Nico
  • 発売日: 2012/10/23
  • メディア: CD
 

 

私の愛聴盤(1988) - プログレ・ディスクガイド・ガイド(2)

私の愛聴盤

私の愛聴盤

「私の愛聴盤」は、「ユーロ・ロック/プログレッシヴ・ロックに魅せられた19人が、それぞれの愛聴盤に対する想いを綴る随筆集」(帯コピー)。

 

プログレ専門雑誌マーキーの通常の号とは異なる体裁ですが、増刊でも別冊でもなく、通巻29号として発行されています(「ユーロロック集成」も同様でした)。書籍体裁なのに通常の号と同様にレコード店などの広告が掲載されています。

 

3部構成になっていて大半を占めるのが1部の「私の愛聴盤」。古田賢、賀川雅彦、河原博文、松本昌幸、三輪岳志、中藤正邦、大関善行、CHIIHRO S、清水義央、鈴木伸一、高見博史、高山直之、田中昌延、NOMERO UENO、山本雅幸、やすいひろみ、吉瀬孝行、山崎尚洋の18人の原稿に、木下茂憲/木下裕子による読者投稿入選作を加えた19編を掲載。書き手は、マーキー関係者のほか、レーベル・レコード店のオーナー、アーティスト、マニア・コレクターらです。

 

愛聴盤をリストアップしてそれについて解説するのではなく、随筆というだけあって文中に作品タイトルが出てくる形式になっていて、せっかちなディスクガイドを求めるとちょっと読みづらい部分もあります。メジャーな作品も多く出てくることから、読み手は紹介されている作品の大半を聴いているのが前提で、書き手のエピソードや解釈を楽しむのが正しい読み方なのかもしれません。

 

2部は「イタリアン・カンタウトーレ・カタログ」。ルチオ・バッティスティ、クラウディオ・バリオーニ、リッカルド・コッチャンテ、アンジェロ・ブランドゥアルディ、イ・プーの5組の各1ページでの紹介と、全96枚のディスクガイドで構成。この本が出たころプログレ超初心者だった私にとっては「カンタウトーレって何????」状態で、せっかくのガイドも宝の持ち腐れでした…。今見ても知らない作品たくさんあるから、CDとかサブスクで探してみようかな。

 

3部は田辺弘幸(元ヴァーミリオン・サンズ)による「メロトロンとプログレッシヴ・ロック」。メロトロンに関する情報は「Tokyo Mellotron Studio」など、いまやネットにものすごい充実したサイトもありますが、田辺氏が文中で紹介するメロトロン入り名曲たちを改めて聴いてみたくなりました。


タイトル:MARQUEE 029 私の愛聴盤
発行:マーキームーン社
発行日:1988年8月1日
定価:2200円
体裁:A5ソフトカバー 203p

EDISON EUROPEAN ROCK CATALOGUE(1987) - プログレ・ディスクガイド・ガイド(1)

EDISON EUROPEAN ROCK CATALOGUE

EDISON EUROPEAN ROCK CATALOGUE

プログレのディスクガイド本てけっこうたくさんあるなあと思い、手元にある分を数えてみたら、周辺領域も含めると50種類くらいありそうでした。これらのディスクガイドをネタが尽きるまで紹介してみようと思います。

レーベルやレコード店の古い販促用カタログの類もたくさんあって、情報がない時代には熟読して大いに買い物の参考にさせてもらってました。雑誌の特集の一部にディスクガイドが載ってることもよくあるし、販促物も含めるなら冊子形式でないチラシや雑誌広告にも複数枚の作品紹介がされていることもあって、これらも貴重な情報源でした。ディスクガイドとは呼べないかもしれないそうした資料も合わせて紹介していきます。

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「EDISON EUROPEAN ROCK CATALOGUE」は、新宿西口の輸入盤店「エジソン」がおそらく1987年春頃に店頭で配布していたと思われるA5版20ページの冊子。自社で手掛ける海外作品の再発レーベル「EDISON EUROPEAN ROCK」シリーズのリリース予定のイタリアンロック12枚と発売検討中という各国の53枚、「MADE IN JAPAN」レーベル既発の国内バンドの10枚の計75枚と、メイド・イン・ジャパンからデビュー予定の4バンド(マグダレーナ、アフレイタス、デジャブ、ヴァーミリオンサンズ)が紹介されています。

 

80年代半ばころ、G-Schmittなどのインディーズが好きだった私はエジソンはもっぱら1F(当時)しか行ってませんでした。ところが偶然ラジオで聴いたページェントに衝撃を受けて、それがプログレというジャンルだと知って、エジソンの2Fにも行くようになったのです。

 

そこで予備知識もたしてないまま手にしたのがこのカタログ。プログレに関する断片的ではない私にとってはたぶん初の情報源で、バイブルと化しました。金がないから買えはしないものの、PFMどころかイギリスのメジャーバンドもちゃんと聴いてないのに、プログレならまずはクエラ・ベッキア・ロカンダやピエロ・ルネーレを聴かねば、と洗脳されたものでした。

 

発売検討中という53枚については「こういうの出せたら良いよね」という希望も含まれているようにも思えます。カイパやダイス、パブロ・エル・エンテラドールなどエジソンのシリーズからは出なかった作品も多数含まれており、その意味ではレーベルの販促物でありながら、ちゃんと名盤ガイドになっているのではないかと思います。

 

このカタログで紹介されているイル・バレット・ディ・ブロンゾとロカンダ・デッレ・ファテのシングルは「Italian Rock Single Compilation」としてリリースされています(ラッテ・エ・ミエレのシングルを足して3バンド6曲)。3バンド一度に聴けてお得かなと思い買ったのですが、イルバレもロカンダもアルバム聴く前にこのシングルを聴いた訳なのでした(どれも良い曲ですが)。いろいろ順序をおかしくしてくれた「ディスクガイド」でした。

 

Edison European Rock Series - Discogs

 

New York

New York

  • ロカンダ・デッレ・ファーテ
  • ポップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

 

2019年 プログレおよびその他の振り返り

ワールド・ディスクの年末恒例企画の2019年部門別売上ベスト・ランキング「2019年を振り返る」を眺めていて、ぜんぜん新しい動きを追えてないなあと反省。

ランキングで40作(次点2作を含む)が紹介されているのですが、このうち聴いてるのが7作品しかありませんでした。ハケット、マグマ、FRANK WYATT&FRIENDS(元ハッピー・ザ・マン)、MICHELE CONTA(元ロカンダ・デッレ・ファテ)、ISIRDURS BANE&PETER HAMMILL、エレアス、DE LORIANSくらい。

CDなどは相変わらず年200枚くらい買っていて、最近はapple musicでアルバムまるごと聴いてることもあるので、音楽自体は聴いているのですが…。 

<個人的ベスト(順不同、再発・映像・非プログレ含む>
・MICHELE CONTA / ENDLESS NIGHTS
・岸倫仔 / DEEP TETRA
・KIYO*SEN / DRUMATICA
・水野正敏 / MIZUNO METHOD
・YOU / ANDROMEDIA
・Sarah Longfield / Disparity
・connie / VOICES
・ロフト・セッションズ Vol.1 アウトテイクス
・四人囃子 / FULL-HOUSE MATINEE(DVD)

MICHELE CONTAはロカンダ・デッレ・ファテのキーボード奏者でなんと初ソロ。2019年の新作と思えないくらいロカンダ・デッレ・ファテの1stの雰囲気が出ててちょっと感動。岸倫仔は久々の新作でライブも行われましたが、LINN TETRAのライブはしばらくできないということでちょっと残念。KIYO*SENはPROG FLIGHT 2019の出演で一気にプログレファンに認知が広がったようで何より。

難波弘之とのAPJなどでも知られる水野正敏のソロは多彩なゲストを迎えたジャンルレスな濃密な作品。メタルバンドのデッドエンドのギタリストのYOUのソロはエモーショナルなギターインストで胸がすくような快作。Sarah Longfieldの作品は正確には2018年作品かもしれないですが日本版が出たのが2019なので無理やり。これもギターインストが心地よく、かなり回数聴いたアルバム。

がらっと変わってNegiccoのプロデュースなどで知られるconnieの初ソロは、1曲ごとに違う女性ボーカルを起用した意欲作。全曲名曲で今年一番聴いた作品。再発・未発リリースでは、ロフト・セッションズ Vol.1 アウトテイクスがピカイチ。オリジナルと、発掘されたアウトテイクを現代のテクノロジーでリミックスした曲の聴き比べができるのですが、もともと素晴らしいオリジナルを凌駕するアウトテイクのリミックスを聴くとこういう曲が発掘されて陽の目をみて本当に良かったと思います。

映像作品の再発で、これも待ちに待った四人囃子「FULL-HOUSE MATINEE」。わたしレーザーディスク版を持ってたんですがプレーヤーがないので見てなくて(笑)、DVDになってやっと見れました。四人囃子って「一触即発」か「ゴールデンピクニック」くらいしか聴いてなかった時期が長いんですが、スタジオ作「DANCE」やライブアルバムの「FULL-HOUSE MATINEE」を最近になって聴いてあまりによかったので、本当にこの映像は待望です!

ライブは25回ほど参加しましたけど、バッファロードーターのライブが一番印象に残っています(5月30日、恵比寿リキッドルーム)。スタジオ作品もYOUTUBE等で見るライブ映像も比較的淡泊なパフォーマンスというイメージを持っていたのですが、この日のライブは熱かった。映像か、せめて音源ででも記録として残してほしいと思いました。それ以外では安定のマリア観音や原始神母、浪漫座の東京・大阪での公演なども思い出深いです。

2020年は、ハケットの来日、浪漫座祭東京公演、原始神母の原子心母50周年公演などすでに予定されている魅力的なライブもありますので、引き続きいろいろ楽しみたいと思います!


◇過去の振り返り
2014年 Year In Music 新作編ライブ編再発編番外編
2013年 新作(BIG BIG TRAIN)ライブ(厚見玲衣 MOON DANCER & TACHYON)再発(KESTREL)番外編
2012年 アルバム(上原ひろみ)ライブ(上原ひろみ)
2011年 アルバム(STELLA LEE JONES)ライブ(KENSO)
2010年 ベスト(ぃどう)
2009年 アルバム(にかさや)ライブ(エレアス)
2008年 振り返り(鈴木亜美)
2007年 -
2006年 振り返り(altavoz再発シリーズ)
2005年 アルバム(みとせのりこ)ライブ(スターレス)
※()内はベスト1または代表的なもの

 

FULL-HOUSE MATINEE [DVD]

FULL-HOUSE MATINEE [DVD]

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2019/11/20
  • メディア: DVD
 

 

PAZZO FANFANO DI MUSICA パッツォ・ファンファーノ・ディ・ムジカ「狂気じみた饒舌家の音楽」

狂気じみた饒舌家の音楽

1989年リリース、当時の日本のプログレオールスターズ参画のクラシカルプログレの名盤PAZZO FANFANO DI MUSICAの「狂気じみた饒舌家の音楽」が「NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTION」で再発売。2013年に続いて2度目の再発売となります。

演奏メンバーは、荒牧隆、杉本正、川口貴、上野知己、桜井信行、宮武和広、林克彦、徳久恵美、桜庭統、杉本恭子。作曲のみに加わったメンバーは塚本周成、永井敏巳、平山照継、藤井卓。当時のアウターリミッツ全員と、ミスター・シリウス、夢幻、マグダレーナ、テルズ・シンフォニア、ヴィエナ、デジャヴとまさにプログレオールスターズ。しかもアコースティック楽器とクラシカルな声楽風ボーカル中心にメロトロンぼーぼーてことでプログレと言ってもジェネシスとかイエスというよりはオパス・アヴァントラかというような現代音楽風な楽曲&アレンジ。

パーマネントなバンドではなく企画盤の雰囲気満載ですが、異なるバンドに所属していて作曲者ごとに芸風も少しずつ違うものの、なんかこのテーマでまとめられると、しっかりコンセプチュアルな作品として完成してますんで素晴らしいです。私は当時気付きませんでしたが、「PAZZO FANFANO DI MUSICA」、略してP・F・Mてことで、再発売により再評価が高まること間違いなしの日本のプログレの名盤です。

個人的にはMr.Siriusのアルバムに入ってても不思議がない宮武和広作のアコギ&フルートの名曲「SOSPIRI DEL FIORE(囁く花)」や、桜庭統作の「FARAGOROSO」、ラストを飾る平山照継作の10分超の大曲「ANNIVERSARIO」などは日本プログレ史に残る名曲と思います。

2013年の再発時に宮武和広(Mr.Sirius)がセルフライナーを、そして今回の再発によせて荒牧隆(Outer Limits)が当時の思い出をそれぞれ書いてますのでぜひご覧を。

4LDK=仙波基+宮本佳子(ジュラ)「4LDK for LDK」がリリース30年目にして初の正式再発売

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4LDKは仙波基(キーボード、プログラミング)と宮本佳子(ボーカル)のデュオ。仙波基は自身のバンド、ペール・アキュート・ムーンのほか、平山照継のテルズ・ジンフォニアなどでも活躍したキーボード奏者、宮本佳子はプログレハードのスターレスにジュラという名前で参加していたボーカリストです。宮武和広、Higa Yasuhisa、Matsumoto Kouji、井上靖らをゲストに迎えて制作した唯一の作品が1988年に8cmシングルCDとしてリリースされた「4LDK for LDK」で、リリース30年を迎える今年、初めて正式再発売されました。

サウンド的にはペール・アキュート・ムーンのような壮大なシンフォニックというわけでもなく、スターレスのようなハードさも皆無で、メンバーから想像する音楽とはややイメージが異なりますが、リリース時はヴァージニア・アストレイ風サウンドと評価されていたとおり、打ち込み+女性ボーカルのプログレファンにもアピールするユニークな作品でした。8cmシングルでのリリースのせいか、バンドではなく打ち込み主体のユニットだったせいか、狭義のロックでもないといったあたりが理由なのか、知る人ぞ知る作品となっていました。

13年に仙波基が自身のサイトで25周年記版音源を公開したり(現在は公開されていない)、13年のネクサスの再発シリーズ「プログレッシヴ・ロック・レジェンド・ペーパー・スリーヴ・コレクション”シリーズ」の購入者特典CDに全曲が収録されるなど、音源としての目新しさはそれほどないところですが、単独作品として正式再発売されるのは初であり、今回の101タイトルにもおよぶ廉価版再発シリーズ「NEXUS ROCK LEGEND ARCHIVE COLLECTION」の中でも目玉の一つではないでしょうか。