もう、15年以上前、フランスのプログレバンド、アトール(ATOLL)がなんと来日して公演を行ったときのこと。叙情派プログレの名演が聴けると思いきや、再結成だったせいかちょっと現代風で、いちおう「夢魔」とかやったけどなんか期待していたアトールじゃないな・・・みたいな。札幌公演では前座がプロヴィデンス(PROVIDENCE)で。しかもプロヴィデンスの演奏がもんのすごく良くて。
偶然会場で出会った大学の先輩。まさかプログレファンとは知らず。
「先輩、プログレファンだったんですか?」
「今日は、アトールより前座のプロヴィデンスのほうがよかったね」
「そうですね、噂には聞いてましたが。アマチュアバンドとは思えないですね。ところで先輩どんなのが好きなんですか。アトールですか」
「バカ言え、昔からプログレといえばキャメルと決まっておる。スノウ・グースだ。これを聴かずしてプログレファンを名乗ってはならぬ」
「はあ、そんなもんで」
「先輩、プログレファンだったんですか?」
「今日は、アトールより前座のプロヴィデンスのほうがよかったね」
「そうですね、噂には聞いてましたが。アマチュアバンドとは思えないですね。ところで先輩どんなのが好きなんですか。アトールですか」
「バカ言え、昔からプログレといえばキャメルと決まっておる。スノウ・グースだ。これを聴かずしてプログレファンを名乗ってはならぬ」
「はあ、そんなもんで」
当時キャメルを聴いたことのなかった私は、早速翌日UKエジソン札幌店だったかタワーレコード札幌店だったかは忘れましたが、買いに行ったものでした。そしてラティマーの甘いギターと、フルートの入ったとても北海道の気候にもぴったりだったキャメルに魅せられて、以来ファンというわけです。
で、キャメルですが、昨年末に出たライブアーカイヴのDVDの第2弾となる「FOOTAGE 2」が発売になりました。幅広い年代のパフォーマンスが堪能できる、ファン必携のアイテムです。80年代以降のキャメルは、実は食わず嫌いというか、なんだかなじめなかったのですが、このライブDVDを見ると、アンディ・ラティマーって人はずーっと変わらず自身の音楽を貫いているのかな、って気がしますね。ギターの音色が、演奏が、変わらない。
80年代以降のスタジオ盤も改めて聴きなおしてみようかしら。
ところで私にキャメルを教えてくれたその先輩はその後大学をクビになり(当時すでに8年生だった)、行方不明になりました。いまもお元気で、どこかでこのキャメルのDVDをお聴きになっているのでしょうか?