プログレのディスクガイド本てけっこうたくさんあるなあと思い、手元にある分を数えてみたら、周辺領域も含めると50種類くらいありそうでした。これらのディスクガイドをネタが尽きるまで紹介してみようと思います。
レーベルやレコード店の古い販促用カタログの類もたくさんあって、情報がない時代には熟読して大いに買い物の参考にさせてもらってました。雑誌の特集の一部にディスクガイドが載ってることもよくあるし、販促物も含めるなら冊子形式でないチラシや雑誌広告にも複数枚の作品紹介がされていることもあって、これらも貴重な情報源でした。ディスクガイドとは呼べないかもしれないそうした資料も合わせて紹介していきます。
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「EDISON EUROPEAN ROCK CATALOGUE」は、新宿西口の輸入盤店「エジソン」がおそらく1987年春頃に店頭で配布していたと思われるA5版20ページの冊子。自社で手掛ける海外作品の再発レーベル「EDISON EUROPEAN ROCK」シリーズのリリース予定のイタリアンロック12枚と発売検討中という各国の53枚、「MADE IN JAPAN」レーベル既発の国内バンドの10枚の計75枚と、メイド・イン・ジャパンからデビュー予定の4バンド(マグダレーナ、アフレイタス、デジャブ、ヴァーミリオンサンズ)が紹介されています。
80年代半ばころ、G-Schmittなどのインディーズが好きだった私はエジソンはもっぱら1F(当時)しか行ってませんでした。ところが偶然ラジオで聴いたページェントに衝撃を受けて、それがプログレというジャンルだと知って、エジソンの2Fにも行くようになったのです。
そこで予備知識もたしてないまま手にしたのがこのカタログ。プログレに関する断片的ではない私にとってはたぶん初の情報源で、バイブルと化しました。金がないから買えはしないものの、PFMどころかイギリスのメジャーバンドもちゃんと聴いてないのに、プログレならまずはクエラ・ベッキア・ロカンダやピエロ・ルネーレを聴かねば、と洗脳されたものでした。
発売検討中という53枚については「こういうの出せたら良いよね」という希望も含まれているようにも思えます。カイパやダイス、パブロ・エル・エンテラドールなどエジソンのシリーズからは出なかった作品も多数含まれており、その意味ではレーベルの販促物でありながら、ちゃんと名盤ガイドになっているのではないかと思います。
このカタログで紹介されているイル・バレット・ディ・ブロンゾとロカンダ・デッレ・ファテのシングルは「Italian Rock Single Compilation」としてリリースされています(ラッテ・エ・ミエレのシングルを足して3バンド6曲)。3バンド一度に聴けてお得かなと思い買ったのですが、イルバレもロカンダもアルバム聴く前にこのシングルを聴いた訳なのでした(どれも良い曲ですが)。いろいろ順序をおかしくしてくれた「ディスクガイド」でした。
Edison European Rock Series - Discogs