PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

私の愛聴盤(1988) - プログレ・ディスクガイド・ガイド(2)

私の愛聴盤

私の愛聴盤

「私の愛聴盤」は、「ユーロ・ロック/プログレッシヴ・ロックに魅せられた19人が、それぞれの愛聴盤に対する想いを綴る随筆集」(帯コピー)。

 

プログレ専門雑誌マーキーの通常の号とは異なる体裁ですが、増刊でも別冊でもなく、通巻29号として発行されています(「ユーロロック集成」も同様でした)。書籍体裁なのに通常の号と同様にレコード店などの広告が掲載されています。

 

3部構成になっていて大半を占めるのが1部の「私の愛聴盤」。古田賢、賀川雅彦、河原博文、松本昌幸、三輪岳志、中藤正邦、大関善行、CHIIHRO S、清水義央、鈴木伸一、高見博史、高山直之、田中昌延、NOMERO UENO、山本雅幸、やすいひろみ、吉瀬孝行、山崎尚洋の18人の原稿に、木下茂憲/木下裕子による読者投稿入選作を加えた19編を掲載。書き手は、マーキー関係者のほか、レーベル・レコード店のオーナー、アーティスト、マニア・コレクターらです。

 

愛聴盤をリストアップしてそれについて解説するのではなく、随筆というだけあって文中に作品タイトルが出てくる形式になっていて、せっかちなディスクガイドを求めるとちょっと読みづらい部分もあります。メジャーな作品も多く出てくることから、読み手は紹介されている作品の大半を聴いているのが前提で、書き手のエピソードや解釈を楽しむのが正しい読み方なのかもしれません。

 

2部は「イタリアン・カンタウトーレ・カタログ」。ルチオ・バッティスティ、クラウディオ・バリオーニ、リッカルド・コッチャンテ、アンジェロ・ブランドゥアルディ、イ・プーの5組の各1ページでの紹介と、全96枚のディスクガイドで構成。この本が出たころプログレ超初心者だった私にとっては「カンタウトーレって何????」状態で、せっかくのガイドも宝の持ち腐れでした…。今見ても知らない作品たくさんあるから、CDとかサブスクで探してみようかな。

 

3部は田辺弘幸(元ヴァーミリオン・サンズ)による「メロトロンとプログレッシヴ・ロック」。メロトロンに関する情報は「Tokyo Mellotron Studio」など、いまやネットにものすごい充実したサイトもありますが、田辺氏が文中で紹介するメロトロン入り名曲たちを改めて聴いてみたくなりました。


タイトル:MARQUEE 029 私の愛聴盤
発行:マーキームーン社
発行日:1988年8月1日
定価:2200円
体裁:A5ソフトカバー 203p