めでたく紙ジャケ・リマスターで再発されたアウターリミッツ5作をじっくり聴きなおしています。まずはデビュー作となった「ミスティムーン」。
これ今回のライナーノーツにも書かれていますが、1985年に発売された際に、初回プレスの1000枚が即日完売し、当時のインディーズチャートで1位を記録した作品。まあインディーズチャートって所詮エジソンのチャートだったんでしょうから、発売元がエジソンのアルバムが上位に入るのは不思議ではないかもしれませんが、完成度は高いもののインスト中心のプログレ作品がチャート上位なんてちょっと信じられない感じです。
この作品の発表時点ですでに、数年のキャリアを持ち、かつメンバーが音大出身者で固められていたこともあり、演奏レベルや楽曲の熟度なども高水準で、世界中を見回してても80年代にこれほどの作品を残したグループはいないんではないかと思ったりします。個人的には5分ほどのインストの小曲ながら「飽和水溶液」がたいへん気に入っております。
アインソフを世に送り出すためにキングにレーベルまで作ってしまったたかみひろしといい、アウターリミッツを世に送り出すためにエジソンにレーベルをつくったNUMERO上野といい、当時日本のプログレがあんなに盛り上がったのはこうした陰の立役者がいたからこそなんでしょうねえ。