アウターリミッツは曲はどれも高い完成度を誇っていますが、アルバムとしての完成度という意味ではオリジナルアルバム3枚中でもっとも高いのが、1987年発表の2nd「少年の不思議な角笛」でしょう。ドラムの桜井信行が創作したオリジナルストーリーに基づくトータルコンセプトアルバムで、曲を聴くだけでトールキンの指輪物語のような壮大でファンタスティックな世界がイメージできる、まさにプログレッシヴロックのひとつのありようを示す名作といえるのではないでしょうか?
今回のライナーには、曲がポップすぎるという辛口の評価が当時あったことが披露されていますが、ポップというのはむしろそれだけメロディの完成度が高いということの証左でもありましょう。とくに「善悪を越えて」はポップでありながらストーリーの大団円にふさわしい名曲で、そのままシングルカットしてもいいとさえ感じられます。ライヴで人気の曲というのもうなづけますね。
トータルコンセプトアルバムということもあり、こだわりの3面見開きジャケットは今回もしっかり再現されています。