PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好きです。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌を集めてたり。最近は和モノAORやアイドルもよく聴いてます。twitter: @ProgRockAddict

メタ映画としての「御巣鷹山(渡辺文樹監督)」

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メタ映画と言うものがあるのかどうか知りませんが、渡辺文樹(渡邊文樹)「御巣鷹山」はまさにメタ映画と言える、ある意味「すごい」作品と言えましょう。「御巣鷹山」が、というのは渡辺文樹作品ではそれしか見たことないからで、他の作品も同じような傾向だとすると、渡辺文樹がメタ映画作家だということになりますか。メタ映画(あるいは単に「映画」)と言って悪いなら、ある種のフィルムの上映を一要素とする総合パフォーマンス芸術なのかもしれません。

「御巣鷹山」はその名のとおり、1985年に起きた日航機墜落事故をテーマにした内容で、ストーリーは、実は事故機は首相命令により自衛隊機が撃墜したという真実を掴んだ被害者の家族が首相を脅迫するというもの。しかしその意味ありげなテーマに反し、脚本も演出もめちゃくちゃ、出演者は全員素人でセリフ棒読み、しばしば焦点が狂うカメラワーク、口の動きとセリフが合わないようなずさんな編集と、映画としての完成度はきわめて低く、通常の観客には見るに耐えないものでしょう。ヘタウマというより、本当にヘタなのを、さらにわざとよりひどく仕上げたたに違いありません。制作費2000万円とのことですがたぶん嘘でしょう。しかも通常の映画館で上映されることなどあり得ないほど低レベルなのになんでわざわざ35mmで撮ってるのかも謎。テーマが過激なため一般の映画館からは上映拒否されるとされているが、拒否される理由はただひとつ、映画としてレベル低すぎだからでしょう。さらに、公民館での自主上映会とはいえ、しょっちゅう映写機の調子が悪くなって映像や音声が途切れるってのはいったいどういうこと?やはりこれはもう、作品そのものではなく、アングラ風な上映スタイルや、違法な捨て看板による告知方法とか、上映会主催者が「飛行機事故を考える会」とかなめた団体名だったりとか、そういうものを全部ひっくるめた総合パフォーマンス芸術として理解しないといけなんだと思います。そして、そう理解すると、この作品の素晴らしさが、心に染みて分かってきます。孤高の天才芸術家、渡辺文樹、恐るべし。

ほかにも「家庭教師」「ザザンボ」「腹腹時計」といった問題作品があるらしく、次のゲリラ上映会を心待ちにしている今日このごろです。