PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

かしぶち哲郎トリビュートアルバムを一周忌に 2夜限りのムーンライダーズ再結成ライブも

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12月17日は、2013年に63歳の若さで逝去したムーンライダーズのドラマーかしぶち哲郎の命日です。そして2011年に活動休止を宣言したムーンライダーズが中野サンプラザで最後のライブを行ったのも12月17日という偶然……。
 
そして2014年12月17日、3年ぶりのムーンライダーズライブが行われます。一夜限りの再結成の予定が好評につき18日の追加公演もあります。私はと言えば、両日ともチケットを買ったのに、両方行かないという……(いろいろ不運と苦渋の決断)。
 
んで、そのライブとタイミングを合わせるようにリリースされたのが、かしぶち哲郎のトリビュートアルバム「a tribute to Tetsuroh Kashibuchi ~ハバロフスクを訪ねて」であります。
 
全18アーティストによる18曲のかしぶち哲郎曲カバー集(厳密には、未発表曲をムーンライダーズがレコーディングした新曲1曲を含む)。矢野顕子、細野晴臣、佐藤奈々子、鈴木さえ子、あがた森魚といった重鎮から、入江陽、佐藤優介(カメラ=万年筆)、柴田聡子、スカートら若手の気鋭アーティストが、ムーンライダーズやかしぶち哲郎ソロ作品をカバーしています。
 
総じて言えるのは、参加アーティストそれぞれが、本当に思い思いの自由な解釈でカバーしていること。メロディや歌詞を聴けば確かにかしぶち哲郎曲そのものでありながら、オリジナルは原型さえとどめていない曲も多数。このアルバムが企画されたのがいつで、レコーディングの期間などがどれくらいだったのかなど知りませんが、今回集結した多忙なアーティストたちが、これだけ多様多彩な解釈でかしぶち哲郎曲をカバーしたというのは、各人が過去の共同作業の中で、あるいはリスナーとして聴いてきた中で、各自が心の中で温めてきた潜在、顕在の何かがあったに違いありません。
 
どの曲も個性豊かで素敵なアレンジ、パフォーマンスですが、個人的には佐藤優介「O・K, パ・ド・ドゥ」、北村早樹子「さなぎ」、松尾清憲「プラトーの日々」とか好きですね。
 
未発表曲の「Lily」は、かしぶち哲郎がボーカルとキーボードを入れて遺したトラックに、ムーンライダーズのメンバー5人がコーラスと各パートと、かしぶち哲郎の長男、橿渕太久磨がドラムとコーラスを入れて完成させたものです。初期のムーンライダーズを思わせるミドルテンポのバラードの名曲ですね。
 
一周忌の夜に、昔を懐かしんでムーンライダーズやかしぶち哲郎のソロを改めて聴くも良し、これからも様々に解釈されながら生き続けていくであろう2014年版カバーを聴くもよし。ライブに行ける方は、存分に楽しんでください!!
 
「a tribute to Tetsuroh Kashibuchi ~ハバロフスクを訪ねて」収録曲
Disc 1
1.矢野顕子「リラのホテル」
2.山本精一「砂丘」
3.細野晴臣「ハバロフスクを訪ねて」
4.豊田道倫「オールド・レディ」
5.佐藤奈々子「トラベシア」
6.入江陽「バック・シート」
7.アーバンギャルド「スカーレットの誓い」
8.佐藤優介「O・K, パ・ド・ドゥ」
9.鈴木さえ子+tomisiro「冬のバラ」
Disc 2
1.Gofishトリオと柴田聡子「Listen to me,Now!」
2.あがた森魚「春の庭」
3.北村早樹子「さなぎ」
4.寺尾紗穂と松井一平「バラは嫌い」
5.テンテンコ「花のイマージュ」
6.松尾清憲「プラトーの日々」
7.スカート「さすらう青春」
8.ピエール・バルー「永遠のエントランス」
9.ムーンライダーズ「Lily」