PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

KIRINJIライブ@Billboard Live Tokyo

2015年6月24日に開催された、掘込奉行脱退後の新生キリンジ(KIRINJI)のビルボードライブ東京での1日2公演×2日の2日目の1stステージを観てきました。旧曲の演奏は一切なし、4人リードボーカル、楽器持ち替えもありの7人編成はライブで飽きない良い演出だったと思います。

昨年出たKIRINJIとしての第1作タイトルが「11」と旧キリンジの10枚の続編的なとこがややこしいですが(収録曲11曲の意味も)、実質別バンド。旧キリンジが掘込兄弟のユニットだったのに対し、新KIRINJIは弓木英梨乃(90年生)、コトリンゴ(78年生)、堀込高樹(69年生)、矢野博康=客演(70年生)、千ヶ崎学(71年生)、楠均(58年生)、田村玄一(55年生)と、幅広い年代、まさに老若男女の固定メンバーによるバンド編成になっています。

リードボーカルとしても活躍する最若年でギター、ヴァイオリンの弓木英梨乃、同じくリードボーカルもとるピアノ、アコーディオンコトリンゴの2人の女性メンバー、いぶし銀のスティールギター&スティールパン田村玄一や元くじらでタイトなドラミングでバンドを支え曲によってリードボーカルも担当する楠均ら、有能で多彩なメンバーが集い、コンポーザーとしてもボーカリストとしてもキーパーソンであった堀込奉行の抜けた穴を補って余りあるといえるのではないでしょうか。歌の音程が安定しない堀込高樹がライブではいちばん足引っ張ってるのではないか説もw

披露した曲は、昨年リリースの「11」からと、ビートルズのカバーと、このメンバーでレコーディングした坂本真綾のトリビュート「うちゅうひこうしのうた」(菅野よう子作曲)、そしてアンコールで7月22日発売のシングル「真夏のサーガ」「 水郷」。旧キリンジの楽曲は一切なしでした。リハ不足か緊張感が欠けていたのか2曲もやり直しというハプニングがありつつも、それも含めてまったりゆったりの心地よい時間を過ごすことができました。

自分史上ベストライブ30

ライブアルバムとか出てる場合を除き、後から比較検証しにくいライブですが、過去約25年で約300回行った中でなんとなくの印象深いやつ。プログレは半分くらいでした。

DAVE SINCLAIR 2015/5/16 MANDA-LA 2
マリア観音 2014/12/17 EARTHDOM
ZABADAK 2014/7/12 TOKYO CINEMA CLUB
IONA / FLAIRCK 2014/3/6 O-WEST
MOONDANCER / TACHYON 2013/5/18 ROCK JOINT GB
ROVO 2013/1/15 UNIT
上原ひろみ 2012/11/14 AKASAKA BLITZ
EP-4 2012/5/21 UNIT
KENSO 2011/12/4 CLUB CITTA'
PFM / OSSANNA 2011/11/7 CLUB CITTA'
UK 2011/4/15 CLUB CITTA'
RENAISSANSE / STEVE HACKETT / 四人囃子 2010/8/22 日比谷野外音楽堂
OUTER LIMITS 2009/12/13 J-POP CAFÉ
ELECTRIC ASTURIAS 2009/12/5 BUDDY
DEAD END 2009/11/20 SHIBUYA AX
FATIMA HILL 2009/10/3 SANCTUARY
FAYRAY 2009/2/26 DUO MUSIC EXCHANGE
五人囃子 2008/4/7 STB139
プチネル 2007/12/17 BLUES ALLEY JAPAN
浜田麻里 2003/11/30 ZEPP TOKYO
SENSE OF WONDER 2001/9/7 TOKYO FM HALL
PAGEANT 1999/11/3 ON AIR WEST
PEKKA POHJOLA 1998/4/4 ON AIR WEST
FISHMANS 1997/8/29 札幌MESSE
PIZZICATO FIVE 1997/7/25 SAPPORO FACTORY HALL
STEVE HACKETT 1996/12/16 東京厚生年金会館
BRITISH FOLK&TRADの夕べ 1991/12/15 SILVER ELEPHANT
ZABADAK 1990/12/26 札幌赤れんがホール
PROVIDENCE 1990/4/8 札幌MESSE
TERRA ROSA 1989/3/1 EGGMAN

クラムボンとデイヴ・シンクレアが共演@ビルボード東京

2015年5月12日、ビルボードライブ東京に、クラムボンとデイヴ・シンクレア・バンドが登場し、マッチング・モール「O Caroline」やキャラバンの名曲の数々を披露しました。

この日のライブは、デイヴ・シンクレアとジミー・ヘイスティングスが「The 'Canterbury Tales Japan' Tour 2015」と題して全国7か所で行うツアーのスペシャルショーの位置づけ。1日2回公演ということで1回1時間半足らずの短い間に、2バンドそれぞれがライブを行った後に、2バンドのメンバー入り乱れ最大7人によるカンタベリーメドレーとなりました。

2013年にクラムボンとしてリリースしたカバーアルバムでも「O Caroline」を取り上げるなど、プログレファンとしても知られるクラムボンのミトは、2011年のNHK FMの「今日も一日プログレ三昧、再び」の 番組内のスタジオライブで、上野洋子山本精一、富家大器らとともにデイヴ・シンクレア・スペシャルバンドに参加。その縁で今回の約4年ぶりの共演が実現したものです。

クラムボンは、この日にふさわしいセットリスト、アレンジだったのかもしれませんが、私のようなデイヴ・シンクレア目当てのプログレファンが初めて聴いても一発で気に入ってしまうような、プログレッシヴなパフォーマンス。キーボードの原田郁子、ドラムの伊藤大助、ベース(曲によりギター)のミトのたった3人でやっているとは思えない厚みのある演奏でした。これまでクラムボンはあまり聴いたことがなかったのですが、ファンになってしまいました。

デイヴ・シンクレアとジミー・ヘイスティングスのツアーは、このあと5月15日(金)に吉祥寺Mandala2、5月16日(土)横濱エアジンと続きます。

クラムボン meets デイヴ・シンクレアBillboard Live Tokyo クラムボン、元キャラヴァン=デイブ・シンクレアとの2マンライブにて「キャラバン・メドレー」のコラボレーションが決定Billboard JAPAN

Dave Sinclair公式サイトClammbon公式サイト

Dave Sinclair ...'Disassociation' - Nine Feet Underground In Kyoto, Japan. from Christopher Fryman on Vimeo.

ユカクロ(Yuka & Chronoship)の3rdアルバム制作に向けクラウドファンディング実施中

今や世界的に活躍する日本の現役プログレバンド、Yuka & Chronoshipが、3rdアルバム制作に向け、2015年5月25日を期限とした目標額80万円のクラウドファンディングを実施しています。

Yuka & Chronoshipの記念すべきイギリスデビューアルバムを一緒に作りませんか!|MotionGallery

新作となる3rdは英チェリーレッドから9月にリリースされることが決まっており、まもなくレコーディングに入るところですが、今回のファンディングで調達した予算は、サウンドのクオリティアップ、ブックレットの充実、プロモーションビデオの制作などに充当するとのことです。

ギフト(出資の見返り)がステッカーのみの1,000円から参加できますが、5,000円で新作アルバム+ライブ1回で十分「元は取れる」内容ですし、10,000円でサイン入り新作アルバム+ライブ1回+ブックレットに出資者として名前記載、30,000円だとサイン入り新作アルバム+ライブ3回+Tシャツ+名前記載など上位のメニューもあります。

10,000円コースと30,000円コースの20,000円差はライブ2回とTシャツの差なので、30,000円1口より10,000円3口の方がお得な気もしなくはなく、30,000円コースのライブは最前列が確約されてるとかなんかもう少し魅力あった方が良いようには思われるものの、そこはそれとして熱意のある方はぜひ30,000円コースを申し込まれると目標金額達成も早まることでしょう(ただし、目標達成か否かに関わらず申し込み分は全額ファンディングされるとのこと)。

クラウドファンディングとは、ネットを通じて不特定多数の人から資金調達する手段のことですが、音楽の世界でも使われることが増えてきました。プログレ関連ですと、スティーヴ・ロザリー(元マリリオン)がクラウドファンディングで調達した資金でアルバムを制作したり(2015年2月リリースの「The Ghosts Of Pripyat」)、ゴブリンが調達を終えた資金で制作を開始したりと、だんだん身近になってきました。

金を集めたは良いけど、予定どおりのものが作られないとか、場合によっては半ば確信犯的にそうしているといったケースもなくはないようですが、全体としては面白い取り組みになっていくと思います。再発専門のソニーのオーダーメイドファクトリーなんかも、事前決済で一定数集めたら再発決定ということで似たような方式ですが、他社も他のアーティストも新作、再発やライブ(よりよい会場で、とかよりよい演出で等)に使えばよいのではないかと思います。

プログレ本「THE DIG Presents プログレッシヴ・ロック 2015 プログレ四天王の今」

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プログレ本「THE DIG Presents プログレッシヴ・ロック 2015」が、2015年2月16日にシンコー・ミュージックから発行されました。

サブタイトルが「"プログレ四天王"の今」となっているとおり、"マーク8"としてライブ活動を始動した新生キング・クリムゾンと、新作で最終作とされる「永遠(TOWA)」をリリースしたばかりのピンク・フロイドをメインに、キーパーソンへのインタビューも豊富に四大バンドに直接関係ある記事だけで構成されています。
 
キング・クリムゾンのパートでインタビューに登場するのはジョン・ウェットン(現メンバーではないがw)。当然ながら自身の在籍時期の話を披露しています。ピンク・フロイドについては、新作の共同プロデューサーに名を連ねたフィル・マンザネラへのインタビューに加えて、厚見玲衣がリック・ライトについて、柏原克己がニック・メイソンについて熱く語ってくれています。この2バンドが新作や再発された旧作、未発表音源集等への詳細な解説なども含めて各40ページを割くメインコンテンツの扱い。
 
EL&Pは1年前に出た「恐怖の頭脳改革」40周年版くらいしか話題がない中で、キース・エマーソンへのインタビューを収録。キース・エマーソンが40周年版を聴いてないとか、リミックスを手掛けたジャッコ・ジャクスジクについて「誰それ」的な回答をしているなど、なかなか微笑ましいインタビューです。70歳で引退宣言は撤回したもののEL&Pをやる気はもうまったくなさそうです。
 
昨年新作をリリースし、危機&こわれものの再現ライブで来日もしたイエスはメンバー揃ってのインタビューや新作のプロデューサー、ロイ・トーマス・ベイカーへのインタビューも掲載。
 
四大バンド以外の唯一の例外がスティーヴン・ウィルソンへのインタビュー。キング・クリムゾン、イエス、EL&Pのリマスターを手掛けているので人物的には無関係ではないですが、インタビューではそのことにはあまり触れず、純粋に間もなくリリースされる予定の新作「Hand Cannot Erase」について語っています。
 
四天王じゃなく五大バンドであるべき、という話もあると思いますが、THE DIGのムックとしてはジェネシスは2014年11月に単体で出たばかりなのでした。
 

 

 

 

早くも2015年ベストディスクか!?(ただし音楽ではない)「ラビリンス 英国フォーク・ロックの迷宮」2015年版がPDF BOOK CD-Rで復刊!

英国フォーク・ロックのガイド本の姿をした冗談御託本「ラビリンス 英国フォーク・ロックの迷宮」が2015年最新版となって、ジャケットをオールカラー収録したPDF BOOK CD-Rとして発刊されました。

せみま~る編著の本書は、初版が1997年に出、その後2002年に白夜書房から改訂増補版が2002年版として出ていたもの。初版から18年、増補版からも実に13年の時を経て、ついによみがえる世紀の奇書であります。肩慣らしの第1章メインストリームロックポップス編120枚を別にしても、約1200枚の英国フォーク・ロックを紹介した日本語のガイドとしては他の追随を許さない、というか他に類を見ないすごいガイドブックです。

もちろん、メロウキャンドルも、チューダーロッジも、スプリガンズも、トゥリーズも、キャサリンハウだって、カエドモンだって、なんだって載っていますよ!

今回の商品としては、PDFファイルを収録したCD-Rでして、PDFですからパソコンでもスマホでも読めます。スマホに入れておけば私のような凡人は一生聴くことも見ることもないようなレコードのジャケット眺めてるだけでも暇つぶしになりますし、CD屋の店頭で「英フォーク激レア盤が初CD化」とかの惹句におびき寄せられそうになったときにちょっと落ち着いてこのガイドを見れば、レアなだけで実は中身はしょぼくて、コレクターとしてオリジナル盤を買うのならともかく聴くためにCD買うのは意味ない、とかわかる実用性もばっちりです。

検索がもう少ししやすいとなおよいとか、PDFじゃなくてネイティヴアプリでとか、まあ言い出せば切りないですが、まずはこういう形で出ただけでも素晴らしい!!

なお、同時に同じPDF BOOK CD-Rのフォーマットで「ゲイトオヴ・ラビリンス 20世紀ロック迷宮への扉 1」もリリースされています。こちらは全5集のVol.1で1955年~1965年の作品のガイドとなっているようです。Vol.2の1966年~1969年編は2015年秋、Vol.3の1969年~1979年編は2016年夏、Vol.4の1971年~1979年編は2016年、Vol.5の1972年~1982年編が2017年と足かけ3年の壮大なプロジェクトになるもよう(各号の年代が被っていますが本書予告記載の通り)。

まだ2月ですが、早くも2015年ベストディスクかも!?(ただし音楽ではないですけど…)

ラビリンス/英国フォーク・ロックの迷宮2015(ロック・ダイヴィング・マガジン編著/PDF版)|素晴らしき音楽との出会い(2015/2/10)

パイナップル・シーフ(Pineapple Thief)10作目「MAGNOLIA」ヨーロピアン・ロック・フェスVol.2出演

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2015年4月26日に東京国際フォーラムでの開催が発表された「ヨーロピアン・ロック・フェスVol2」への出演が決まったパイナップル・シーフ。1999年結成で既に10枚ものアルバムを出しているベテランバンドです。

2014年リリースの最新作「マグノリア」が国内盤として初めてWOWOWエンタテインメントからリリースされました。帯コピーは「2000年代以降のプログレッシヴ・ロックアンダーグラウンドを支えてきたパイナップル・シーフ。初の国内リリース!透明な美しさを湛えた円熟の傑作完成!」

過去9作を聴かずに最新作だけ聴いた印象なのですが、同じKSCOPEレーベルのポーキュパイン・トゥリーやアナセマ同様、様式美的、回顧的なプログレ枠の中に収めることはせずに、結果としてプログレぽいとこもある現代ロックてな感じを受けました。曲は長くても5分余りですし、なんかのCM音楽に採用されたりとかしてても不思議ないくらいにキャッチーで洗練されてます。

B級プログレ的な泥臭さは一切なく、やや陰鬱で叙情的な曲、壮大な空間の奥行きを感じる時にエモーショナルなアレンジがポストロック的なとこもありますし、意外とメタルっぽいというかソリッドでハードな演奏はライブ映えしそう。

レディオヘッド、コールドプレイ、ミューズとかそういう系の夏フェスあたりに普通に出てても違和感ないくらいで、UKインディーロックの新作として聴いたら「これちょっとプログレ入ってるね」とか言って楽しめちゃいます。もしかしたらプログレ以外のとこで人気あったりする感じですかね? 

初期作品からの全活動を網羅するベスト盤「Introducing the Pineapple Thief」やダウンロード限定の最新ライブアルバム「Live at the 013」などもあるようなので、そこら辺も聴いてライブに臨みたいと思います(まだチケット買ってないけど)。

パイナップル・シーフは元ヴォルガー・ユニコーン(VULGAR UNICORN)のギタリスト、ブルース・ソード(Bruce Soord)がポーキュパイン・トゥリーに触発され開始したプロジェクトです。1999年のデビュー作「Abstructing the Unicorn」以降全10枚のアルバムを発表しています。7th「Tightly Unwound」以降はポーキュパイン・トゥリーのスティーヴン・ウィルソン率いるKSCOPEから作品をリリースしています。ブルース・ソードにはKatatoniaのJonas RenkseとのプロジェクトWisdom of Crowdsなどもあるようです。

パイナップル シーフ / マグノリア芽瑠璃堂DISKUNION

MAGNOLIA / THE PINEAPPLE THIEF|ES IN MY HEAD(2014/9/30)
Pineapple Thief / Magnolia|オ〇ニストによる音楽批評(2014/11/27)

THE PINEAPPLE THIEF 公式FacebooktwitterYOUTUBE

◇ヨーロピアン・ロック・フェスVol.2について
・日時:2015年04月26日(日)16:00開演(15:00開場) 
・会場:東京国際フォーラム ホールC
・出演:The Flower Kings / Kaipa da Capo / Atoll / Pineapple thief
・料金:12,500円(税込、全席指定)