PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好きです。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌を集めてたり。最近は和モノAORやアイドルもよく聴いてます。twitter: @ProgRockAddict

人の生き死にの話--映画「樹の海」

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映画「樹の海」を見る。
渋谷シネ・アミューズは予約制なので、希望回のちょっと前に行って整理券を発券してもらったが、整理券番号002。流行ってないんだなあ。

もう少し観念的な内容を想像していったのだが、割と説明的で解釈の入り込む余地があまりないというか、分りやすい反面見方をかなり限定しているので、私のようなひねくれものにはちょっと物足りないというか。でもよくできた物語なので、あんなにお客さんが少ないのではもったいない。むしろテレビ向きかも。

暴行されて樹海に捨てられた朝倉と樹海で自殺するが本当は止めて欲しかった田中のエピソード。悪徳金融業者タツヤとタツヤに追い詰められ樹海での自殺を選ぶ今日子とのエピソード。サラリーマンの山田がかつて一度だけ会ったことのある真佐子の樹海での自殺と、それを調べる探偵三枝と山田のエピソード。駅売店で働く映子がかつてストーカーをしていた相手渡辺の妻からの嫌がらせが止まり、自殺を決意する彼女と、渡辺との偶然の再会を描くエピソード。樹海で死んだ人、死に切れなかった人、彼らの周りにいて何かに気づいたり気づかなかったりした人たち。

人の生き死にのいろいろなシーンを切り取って見せることで、改めて人の生き死にを考えさせる内容です。一番印象に残るシーンは、樹海で自殺した田中が、実は帰り道に迷わぬように印を残しながら森に入っていったことに朝倉が気づくシーン。田中が自殺しようとして「止めないでくれ」と言われとめなかった朝倉は「田中さん、止めてほしかったんじゃないですか」と叫ぶ。ここがなかなか良いですね。

樹海に入ったことのある人はあまり多くないでしょうし(私もないです)、抱くイメージは人それぞれなのかもしれませんが、フィクションなので、もっと「人を狂わす緑」のようなものを映像美で見せてくれたらよかったのにと思いました。かつて「ロビンソンの庭」という映画があり、この映画に出てくる「緑」は狂おしいほどに美しいです。

[http://bitte942.rsjp.net/kinoumi/ 「樹の海」公式サイト]