PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

早くも2015年ベストディスクか!?(ただし音楽ではない)「ラビリンス 英国フォーク・ロックの迷宮」2015年版がPDF BOOK CD-Rで復刊!

英国フォーク・ロックのガイド本の姿をした冗談御託本「ラビリンス 英国フォーク・ロックの迷宮」が2015年最新版となって、ジャケットをオールカラー収録したPDF BOOK CD-Rとして発刊されました。

せみま~る編著の本書は、初版が1997年に出、その後2002年に白夜書房から改訂増補版が2002年版として出ていたもの。初版から18年、増補版からも実に13年の時を経て、ついによみがえる世紀の奇書であります。肩慣らしの第1章メインストリームロックポップス編120枚を別にしても、約1200枚の英国フォーク・ロックを紹介した日本語のガイドとしては他の追随を許さない、というか他に類を見ないすごいガイドブックです。

もちろん、メロウキャンドルも、チューダーロッジも、スプリガンズも、トゥリーズも、キャサリンハウだって、カエドモンだって、なんだって載っていますよ!

今回の商品としては、PDFファイルを収録したCD-Rでして、PDFですからパソコンでもスマホでも読めます。スマホに入れておけば私のような凡人は一生聴くことも見ることもないようなレコードのジャケット眺めてるだけでも暇つぶしになりますし、CD屋の店頭で「英フォーク激レア盤が初CD化」とかの惹句におびき寄せられそうになったときにちょっと落ち着いてこのガイドを見れば、レアなだけで実は中身はしょぼくて、コレクターとしてオリジナル盤を買うのならともかく聴くためにCD買うのは意味ない、とかわかる実用性もばっちりです。

検索がもう少ししやすいとなおよいとか、PDFじゃなくてネイティヴアプリでとか、まあ言い出せば切りないですが、まずはこういう形で出ただけでも素晴らしい!!

なお、同時に同じPDF BOOK CD-Rのフォーマットで「ゲイトオヴ・ラビリンス 20世紀ロック迷宮への扉 1」もリリースされています。こちらは全5集のVol.1で1955年~1965年の作品のガイドとなっているようです。Vol.2の1966年~1969年編は2015年秋、Vol.3の1969年~1979年編は2016年夏、Vol.4の1971年~1979年編は2016年、Vol.5の1972年~1982年編が2017年と足かけ3年の壮大なプロジェクトになるもよう(各号の年代が被っていますが本書予告記載の通り)。

まだ2月ですが、早くも2015年ベストディスクかも!?(ただし音楽ではないですけど…)

ラビリンス/英国フォーク・ロックの迷宮2015(ロック・ダイヴィング・マガジン編著/PDF版)|素晴らしき音楽との出会い(2015/2/10)

パイナップル・シーフ(Pineapple Thief)10作目「MAGNOLIA」ヨーロピアン・ロック・フェスVol.2出演

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2015年4月26日に東京国際フォーラムでの開催が発表された「ヨーロピアン・ロック・フェスVol2」への出演が決まったパイナップル・シーフ。1999年結成で既に10枚ものアルバムを出しているベテランバンドです。

2014年リリースの最新作「マグノリア」が国内盤として初めてWOWOWエンタテインメントからリリースされました。帯コピーは「2000年代以降のプログレッシヴ・ロックアンダーグラウンドを支えてきたパイナップル・シーフ。初の国内リリース!透明な美しさを湛えた円熟の傑作完成!」

過去9作を聴かずに最新作だけ聴いた印象なのですが、同じKSCOPEレーベルのポーキュパイン・トゥリーやアナセマ同様、様式美的、回顧的なプログレ枠の中に収めることはせずに、結果としてプログレぽいとこもある現代ロックてな感じを受けました。曲は長くても5分余りですし、なんかのCM音楽に採用されたりとかしてても不思議ないくらいにキャッチーで洗練されてます。

B級プログレ的な泥臭さは一切なく、やや陰鬱で叙情的な曲、壮大な空間の奥行きを感じる時にエモーショナルなアレンジがポストロック的なとこもありますし、意外とメタルっぽいというかソリッドでハードな演奏はライブ映えしそう。

レディオヘッド、コールドプレイ、ミューズとかそういう系の夏フェスあたりに普通に出てても違和感ないくらいで、UKインディーロックの新作として聴いたら「これちょっとプログレ入ってるね」とか言って楽しめちゃいます。もしかしたらプログレ以外のとこで人気あったりする感じですかね? 

初期作品からの全活動を網羅するベスト盤「Introducing the Pineapple Thief」やダウンロード限定の最新ライブアルバム「Live at the 013」などもあるようなので、そこら辺も聴いてライブに臨みたいと思います(まだチケット買ってないけど)。

パイナップル・シーフは元ヴォルガー・ユニコーン(VULGAR UNICORN)のギタリスト、ブルース・ソード(Bruce Soord)がポーキュパイン・トゥリーに触発され開始したプロジェクトです。1999年のデビュー作「Abstructing the Unicorn」以降全10枚のアルバムを発表しています。7th「Tightly Unwound」以降はポーキュパイン・トゥリーのスティーヴン・ウィルソン率いるKSCOPEから作品をリリースしています。ブルース・ソードにはKatatoniaのJonas RenkseとのプロジェクトWisdom of Crowdsなどもあるようです。

パイナップル シーフ / マグノリア芽瑠璃堂DISKUNION

MAGNOLIA / THE PINEAPPLE THIEF|ES IN MY HEAD(2014/9/30)
Pineapple Thief / Magnolia|オ〇ニストによる音楽批評(2014/11/27)

THE PINEAPPLE THIEF 公式FacebooktwitterYOUTUBE

◇ヨーロピアン・ロック・フェスVol.2について
・日時:2015年04月26日(日)16:00開演(15:00開場) 
・会場:東京国際フォーラム ホールC
・出演:The Flower Kings / Kaipa da Capo / Atoll / Pineapple thief
・料金:12,500円(税込、全席指定)


スペイン女性ボーカルプログレHARVESTの3rd「Northern Wind」 ALL ABOUT EVEファンにお勧め!

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スペインの女性ボーカル・プログレバンド、ハーヴェストが2014年11月にリリースした3rdアルバム「Northern Wind」ですが、1曲目からしてオール・アバウト・イヴの未発表曲かと勘違いしてしまうくらい(私だけ?)の出来で、オール・アバウト・イヴのファンには聴いてもらいたいグループです。わずか1分余りの1曲目「Into the Void」の試聴はbandcampYOUTUBEでできますが、いかがでしょう?
 
メンバーがフェイバリットにあげているのがマリリオンで、1stでマリリオンのカバーやったり、2ndにスティーヴ・ロザリーがゲスト参加したりと関係性も深いようです。紅一点ボーカルのモニークはマジェンタやカルナタカなんかが好きなようで、そのあたりはポンプロックの90年代版、女性ボーカル版と言えなくもなく、ポンプロックからの直接、間接の影響は大きく出ていて、オリジナリティとか言い出すとちょっと微妙ながらも、この手のがすっきな人にはたまらないメロディ、アレンジ、フレーズが次々繰り出されますし、少し憂いあるようなボーカルが声も歌もいい感じなので、自分的にはどストライクなのです。
 
1stや2ndもなかなか良い作品でして、ただその時はそれほどオール・アバウト・イヴ似とは思わなかったです。バンドやメンバーのプロフィールなど見ましても、オール・アバウト・イヴの名前はどこにも出てこず、もしかしたら知らないのかもしれないですが、スペインのバンドにオール・アバウト・イヴの影を感じるとは!
 
 
◇メンバー
Monique van der Kolk(Vo)
Alex Ojea(Dr)
Jordi Amela(Kb)
Jordi Prats(G)
Toni Munné(B)
 
◇日本のリスナーの評価
HARVEST/Northern Wind|PROGRE BACKLASH!(2014/12/13)
 
 
 
◇ライブ映像(曲は新作のものではありません)


Harvest-The Spell

 

 

Northern Wind (2014)

Northern Wind (2014)

  • Red Phone Records
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フアナ・モリーナ/原田郁子 ツーマンライブ@ビルボードライブ東京

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2015年2月6日、ビルボードライブ東京で開催されたフアナ・モリーナと原田郁子(クラムボン)のツーマンライブに行ってきました。
 
今回の日本ツアーでは、3日にビルボードライブ大阪で原田郁子とのツーマン2回公演、5日にリキッドルームで相対性理論とのツーマン、6日にビルボードライブ東京で原田郁子とのツーマン2回公演とあわただしいスケジュールでライブを行った彼女。ビルボードではツーマンを2回公演のためパフォーマンス時間は40分あまりとコンパクトなライブではありましたが、その魅力を十分堪能できるパフォーマンスでした。
 
前座の原田郁子は、 CINEMA dub MONKSの曽我大穂とのデュオ。鍵盤ハーモニカを演奏しながらの2階客席の入場というビルボードではちょっと珍しい演出でスタート。原田はもっぱらグランドピアノと歌、曽我はスチールドラムほか多彩な楽器(や楽器でない音の出るモノ)を操り、あえての音数少なく無音の行間の余韻を味わわせる、逆に奥深さを感じさせるさすがの演奏でした。
 
合計1.5時間のステージでのツーマンで、予め2バンド分の機材がステージ上に準備されているため、セットチェンジの時間はほとんどなく、メインアクトのフアナ・モリーナが登場。キーボードのシュヴァルツ・オーディン・ウリエルとドラムのロペス・デ・アルコート・ディエゴを従えた3人編成でしたが、シーケンサーやエフェクターを多用した浮遊感と、フォークっぽいどこか人間くささのある温かみを感じさせる歌とが混ざった独特の空気が会場に漂っていました。
 
このあと8日は、代官山のライブハウス「晴れたら空に豆まいて」にて、今回のツアーでは唯一のワンマンを1日2回公演で開催予定です。
 
 
◇フアナ・モリーナ 公式
フアナ・モリーナ Juana Molina (Vo,G,Kb)
シュヴァルツ・オーディン・ウリエル Schwartz Odin Uriel (Kb)
ロペス・デ・アルコート・ディエゴ Lopez De Arcaute Diego (Dr)
 
◇原田郁子  公式
原田郁子(Vo) 
曽我大穂(Flute,Harp,Tape Recorder)from CINEMA dub MONKS
 
 


Juana Molina - Full Performance (Live on KEXP)

 

 

Segundo

Segundo

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2014年最重要プログレ作品 金属恵比須「ハリガネムシ」

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金属恵比須(「金屬惠比須」が正式表記のよう)が2014年11月にリリースした3rdアルバム「ハリガネムシ」は、パロディをアートに進化させた日本プログレの歴史に残る名盤! 

前二作「箱男」「紅葉狩」は、それぞれジェネシス、キングクリムゾンのかなり直接的な影響を感じさせるもので、ところどころニヤリとしてしまうフレーズが出てくるなどそれはそれで面白い作品でしたが、本作では先人の影響を十二分に消化した上で、人間椅子や筋肉少女帯にも通じる日本的不条理の世界を、詞・曲で表現したオリジナリティの高い作品になっています。
 
スタジオアルバムとしては10年ぶりながら、2ndのメンバー(貳代目金屬惠比須)ではメキシコのプログレフェス「Baja Prog Fes」に出演したりライブDVD「イタコ」をリリースしたりし、公式作品は残していないものの内核の波のメンバーを迎えた參代目金屬惠比須などで断続的に活動してきた中で、曲やアレンジの洗練度を高めてきたことが伺えます。三代目からもすべて入れ替わった現メンバーは、過去最強と言ってもよく、メロトロンやミニモーグ、アープを巧みに操る宮嶋健一と、シュールな歌をパワフルに歌うボーカルの稲益宏美の魅力は特筆に値します。ベースの多良洋祐、ドラム諸石和馬も難曲珍曲を支える得難い人材。11月29日のライブにはShiggy.Jr(シブヤ系!!)加入のため離脱の諸石に代わり後藤マスヒロ(元ジェラルド、元人間椅子)がゲスト参加したり、アルバムでも自作曲の金属恵比須バージョンを歌った有望若手SSW入江陽がゲスト参加するなど、メインストリームとの接点が生まれているのもいろんな意味で追い風。
 
これまで流通の問題もあって(公式サイトでの通販さえなかった)プログレファンにも十分知れ渡っているとは言えないかもしれませんが、昨年末からワールドディスク、今年に入ってガーデンシェッドで取扱いが始まり、そしていよいよ満を持して2月11日、ディスクユニオンやamazonほか一般流通が始まりますので、一気に評価が高まることは必至でしょう。
 
各店で購入特典があり、11日から発売のディスクユニオンではレコ発ライヴ当日会場にて配布されたパンフレット「死ぬのが怖い(仮)」のミニチュア版レプリカ、既に発売中のラウンドアバウト(横浜関内のまごころ居酒屋)では人気商品「こんにゃくの鷹の爪炒め」を一皿サービス、同じく発売中のガーデンシェッドでは2014年11月29日のライブから「蟷螂の黄昏」「ハリガネムシ」の2曲を収録したCDRとなっています。おすすめはガーデンシェッドのCDR。スタジオバージョンより数倍鬼気迫る演奏がヤバイ‼︎これからの方はぜひガーデンシェッドで(特典は数量限定)。
 
金属恵比須最高!!!
 
金属恵比須 公式Facebook|Twitter(金大地主席)
金屬惠比須活動履歴|2008年までの活動履歴(mixiコミュニティ)
金属恵比須 / ハリガネムシ|World DisqueDisk Union芽瑠璃堂
 
◇メンバーの変遷
・最新
「ハリガネムシ(2014)」
高木大地(G、Kb、Vo)
稲益宏美(Vo)
多良洋祐(B)
諸石和馬(D)
宮嶋健一(Kb)
 
・參代目金屬惠比須(2008/4/16~2xxx)
高木大地(G、Kb)
小林智(B)(内核の波)
渡邉千尋(D)
 
・貳代目金屬惠比須(2002トロツキー~2003貳代目金屬惠比須~2008/4/12)
「紅葉狩(2004)」「イタコ(2007)」
高木大地(G、Kb、Vo)
れいら(D、Vo) 
小倉隆昭(TenorBasses) 
伊東大二郎(B)
 
・金屬惠比須(1996~2002)
「箱男(2003)」
高木大地(G、Kb、Vo)
浅沼研太(Per)
楠マキコ(Kb、Vo)
小島剛広(B)
 
 


【先行公開】ハリガネムシ(Gordian Würm)/金屬惠比須(Yebis)

 
 

 

ハリガネムシ

ハリガネムシ

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「東京ロック・バー物語」名店11店のマスターへのインタビュー集

イメージ 1音楽好きとはいえ、何一つ楽器の出来ない私はミュージシャンになることはできないので、ロック・バーのマスターになろうと思っています。楽器ができないとミュージシャンになれないことはわかるのに、音楽の知識もたいしたことなく飲食店経営も接客も経験がなくてもロック・バーのマスターになれると勘違いする根拠は我ながら不明です。

 
2015年1月29日にシンコーミュージックから出た本「東京ロック・バー物語」は、有名ロックバー11店のマスターへのインタビュー集。日本のロック文化を今に伝える味わい深い話がいっぱい。千駄木のバー・イッシーのイッシーさんへのインタビューは「実践編:ロックバーへの道」とのタイトルどおり、実際にお店を開くまでの話をノウハウ仕立てで紹介してあります。ほかマスターも、ロックバー開店や経営の極意(?)的なフレーズがところどころにあって、ためになります。
 
プログレ関連の発言はあまりないのですが、
・中居克博さん(イート・ア・ピーチ)「だいたい年寄りは自分の好きな音楽しか聴かないもん。頭固いから。プログレならプログレだけで、ピンク・フロイドとELPだけ聴いて満足して帰っちゃう。もっといいのがあると言っても一切耳貸さない」
・伊藤和子さん(燃えサントラ&泣きロック酒場Bar&茶館 新橋人形の家)「メタル好きだけどプログレはダメ、逆にプログレ好きだけどメタルはダメって人も多くて、特に若い人はそのあたりの臨機応変さがないんですよ。年とれば、きっと大丈夫になるでしょうが。若いメタルの子はドリーム・シアターあたりが限界!あれ以上プログレになるとね、もうぜんぜんダメなんです」
と、プログレファンは年寄りも若者も嫌われているようです(笑)。
 
稲毛(千葉県)がありなら、まごころロック居酒屋ラウンドアバウト(神奈川)あたり入れたらよかったのに、とは思いましたが、第2弾とかもあるならぜひ!
 
<登場店舗>
イート・ア・ピーチ/トラブル・ピーチ(下北沢)
新宿Rock in Rolling Stone(新宿)※閉店
立ち飲み処 しょっと おかめ(秋葉原)
BIRD SONG CAFE(自由が丘)
Full House(稲毛)
B・Y・G(渋谷)
furacoco★rock(西荻窪)
Salongo(中野)
Bar Isshee(千駄木)
 
「東京ロック・バー物語」
和田静香・著 シンコーミュージック刊
価格1,500円(税別)
1月29日発売
ISBN:978-4-401-64035-5
 
 
新しい本です|著者・和田静香 ひぽこんコラム(2015/1/24)
 
東京ロック・バー物語

東京ロック・バー物語

  • 作者:和田靜香
  • 出版社/メーカー: シンコーミュージック
  • 発売日: 2015/01/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

アストゥーリアス(ASTURIAS)初期のデモ&ライブ作品

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私は大好きなアストゥーリアスの1988年のデビュー作「サークル・イン・ザ・フォレスト」、大山曜が「この1stをこの世から消し去りたい」とまで言っていてびっくりしました! 理由は「芸術家たる者、常に”新しい作品こそ代表作”と言えることが何よりだ」からだそうですが、何もそこまで言わなくても…。
 
さて、アストゥーリアスには大山曜が消し去りたいという1stよりもさらに前の1987年にリリースされたデモテープがあります。ディスコグラフィには載っていないものの、結成の経緯として公式サイトのバイオグラフィにも「1987年、作・編曲家、マニピュレーターの大山曜が多重録音でデモテープを制作したのが始まり」とありますね。そのデモテープと同じかはちょっとわからないのですが、ニコニコ動画で聴けるみたいです。
 
 
<収録曲>
A-1:流氷
A-2:実験I
A-3:Ice Palace
A-4:Focus4
B-1:エイリアン
B-2:Angel Tree
B-3:ユートピアノ
B-4:Horizon
 
「流氷」「実験I(=Clairvoyance)」「Angel Tree」は1stに収録される曲ですが、この時点で完成形に近いものとなっているようです。ゲームBGMのアレンジバージョンである「Ice Palace」なんかも1stの雰囲気に合う佳曲(ちょっと抑揚がなくドラマティックさに欠ける)ですし、同じくのちにゲームに採用されることになる「エイリアン」なんかは、今ならむしろエレアスとかでよりロック的なアレンジをすると生きそう。ラストの「Horizon」は"産業ロック"的アプローチでアストゥーリアス作品とはちょっと毛色が違いますが、歌詞つけてアニメの主題歌とかにぴったりな感じもしなくもなく。と、いろいろアイデアの詰まった聴きごたえのあるデモテープです。
 
それと、これも公式ディスコグラフィに記載されていないのですが「Official Bootleg Lives Volume II」というオムニバスのカセット作品に1987年7月23日吉祥寺シルバーエレファントのライブから「実験I(=Clairvoyance)」が収録されています。アストゥーリアスにとってはこれがデビューライブ。大山曜以外のメンバーは、新月の津田治彦(G)、花本彰(Kb)、アフレイタスの桜井和美(D)に加えてなんと後にハバナ・エキゾチカを経てバッファロー・ドーターを結成する大野由美子(Pf)。この日は新月のメンバーがいたこともあり、アンコールでは北山真をゲストに迎えて新月の「鬼」が披露されたとのこと。これ音源が残っていたら聴いてみたいものですね。同時期同趣向で出たと思われるビデオ「Official Bootleg Lives」(1988、VHS、MIV-58002)」にもライブ映像が収録されている模様です(私は現物を観たことがないので詳細不明)。
 
当時のライブを大山曜自身が振り返るところでは「全くライブには興味がなく、ただただ気が重かった」「精神的にも肉体的にも異常に疲労してしまって(オールドフィールド氏のように)進んでライブをやろうとは思わなくなってしまいました」とのことで、このライブを含めて3回を行ったのみ、なんと1stレコ発記念、初のワンマンだった1988年12月の渋谷エッグマン公演を最後に、2004年にアコアスで復活するまで15年以上も封印されることになります。現役最強ライブバンドのエレアスを率いていることを思えば嘘のような話です。
 
アストゥーリアスと言えば、いまやマルチ、エレクトリック、アコースティックの3態様で日本を、いや世界を代表する現役最強のプログレユニット。2014年9月に行われたTwitter投票でファンが選ぶ日本のプログレのオールタイムベスト(#ATBジャパグレ)においても、マルチの最新作「樹霊」は4位、エレアスの1st「フラクタルズ」は同12位と21世紀プログレとしては別格の高い評価を受けています。2014年12月にリリースされたばかりのエレアス2nd「エレメンタルズ」も好評ですし、2015年はエレアスのライブDVDやマルチの新作(5作目、でいいのかな?)も予定されているとのことで今後の活躍がますます楽しみです。
 
※アストゥーリアスのデビューライブの告知が載っているという意味で、1987年当時のチラシ画像を載せてみましたが、一緒に載ってるヴィエナのメンバーがなんかちょっと違っていて感慨深いですw
 
◇ASTURIAS 公式FacebookBlog
 
◇関連情報

(怒りの以下略): ASTURIAS 1987年のデモテープ |(怒りの以下略)(2013/9/6)

初期アストゥーリアス・幻のライブ その1その2|ASTURIAS公式サイト
ATBプログレシリーズ 個人的総括 その2|Asturias公式ブログ(2014/11/24)