PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好き。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌集めも。CITY POPやアイドルもよく聴いてます。音楽のことはよくわからないので、名盤とか名演とか言ってる場合、単に好きってことです。twitter: @ProgRockAddict

アストゥーリアス(ASTURIAS)初期のデモ&ライブ作品

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私は大好きなアストゥーリアスの1988年のデビュー作「サークル・イン・ザ・フォレスト」、大山曜が「この1stをこの世から消し去りたい」とまで言っていてびっくりしました! 理由は「芸術家たる者、常に”新しい作品こそ代表作”と言えることが何よりだ」からだそうですが、何もそこまで言わなくても…。
 
さて、アストゥーリアスには大山曜が消し去りたいという1stよりもさらに前の1987年にリリースされたデモテープがあります。ディスコグラフィには載っていないものの、結成の経緯として公式サイトのバイオグラフィにも「1987年、作・編曲家、マニピュレーターの大山曜が多重録音でデモテープを制作したのが始まり」とありますね。そのデモテープと同じかはちょっとわからないのですが、ニコニコ動画で聴けるみたいです。
 
 
<収録曲>
A-1:流氷
A-2:実験I
A-3:Ice Palace
A-4:Focus4
B-1:エイリアン
B-2:Angel Tree
B-3:ユートピアノ
B-4:Horizon
 
「流氷」「実験I(=Clairvoyance)」「Angel Tree」は1stに収録される曲ですが、この時点で完成形に近いものとなっているようです。ゲームBGMのアレンジバージョンである「Ice Palace」なんかも1stの雰囲気に合う佳曲(ちょっと抑揚がなくドラマティックさに欠ける)ですし、同じくのちにゲームに採用されることになる「エイリアン」なんかは、今ならむしろエレアスとかでよりロック的なアレンジをすると生きそう。ラストの「Horizon」は"産業ロック"的アプローチでアストゥーリアス作品とはちょっと毛色が違いますが、歌詞つけてアニメの主題歌とかにぴったりな感じもしなくもなく。と、いろいろアイデアの詰まった聴きごたえのあるデモテープです。
 
それと、これも公式ディスコグラフィに記載されていないのですが「Official Bootleg Lives Volume II」というオムニバスのカセット作品に1987年7月23日吉祥寺シルバーエレファントのライブから「実験I(=Clairvoyance)」が収録されています。アストゥーリアスにとってはこれがデビューライブ。大山曜以外のメンバーは、新月の津田治彦(G)、花本彰(Kb)、アフレイタスの桜井和美(D)に加えてなんと後にハバナ・エキゾチカを経てバッファロー・ドーターを結成する大野由美子(Pf)。この日は新月のメンバーがいたこともあり、アンコールでは北山真をゲストに迎えて新月の「鬼」が披露されたとのこと。これ音源が残っていたら聴いてみたいものですね。同時期同趣向で出たと思われるビデオ「Official Bootleg Lives」(1988、VHS、MIV-58002)」にもライブ映像が収録されている模様です(私は現物を観たことがないので詳細不明)。
 
当時のライブを大山曜自身が振り返るところでは「全くライブには興味がなく、ただただ気が重かった」「精神的にも肉体的にも異常に疲労してしまって(オールドフィールド氏のように)進んでライブをやろうとは思わなくなってしまいました」とのことで、このライブを含めて3回を行ったのみ、なんと1stレコ発記念、初のワンマンだった1988年12月の渋谷エッグマン公演を最後に、2004年にアコアスで復活するまで15年以上も封印されることになります。現役最強ライブバンドのエレアスを率いていることを思えば嘘のような話です。
 
アストゥーリアスと言えば、いまやマルチ、エレクトリック、アコースティックの3態様で日本を、いや世界を代表する現役最強のプログレユニット。2014年9月に行われたTwitter投票でファンが選ぶ日本のプログレのオールタイムベスト(#ATBジャパグレ)においても、マルチの最新作「樹霊」は4位、エレアスの1st「フラクタルズ」は同12位と21世紀プログレとしては別格の高い評価を受けています。2014年12月にリリースされたばかりのエレアス2nd「エレメンタルズ」も好評ですし、2015年はエレアスのライブDVDやマルチの新作(5作目、でいいのかな?)も予定されているとのことで今後の活躍がますます楽しみです。
 
※アストゥーリアスのデビューライブの告知が載っているという意味で、1987年当時のチラシ画像を載せてみましたが、一緒に載ってるヴィエナのメンバーがなんかちょっと違っていて感慨深いですw
 
◇ASTURIAS 公式FacebookBlog
 
◇関連情報

(怒りの以下略): ASTURIAS 1987年のデモテープ |(怒りの以下略)(2013/9/6)

初期アストゥーリアス・幻のライブ その1その2|ASTURIAS公式サイト
ATBプログレシリーズ 個人的総括 その2|Asturias公式ブログ(2014/11/24)