P-モデルなどでの活躍が知られる、平沢進が、P-モデル以前にやっていたプログレバンドがマンドレイク(MANDRAKE) です。70年代にライブ活動などを行っていたのですが、アルバムとしての作品を残さなかったこともあり、永らく伝説のバンドとして語り継がれてきました。その後突如、ライブとデモテイクからなる2枚のCDがマーキーから出て、その内容のあまりのすごさに、本当に腰を抜かしそうになった覚えがあります。
この2枚のCD(マンドレイク/アンリリースト・マテリアルズ Vol.1とVol.2)、CD Journalによれば2006年2月に再発売だそうで、平沢進の公式サイトでも告知されています。音源が音源だけにどこまでよくなるかは別ですがリマスターでもあるようなので、何度再発売されてもそれはそれでよいことであります。
伝え聞くところによるとこのマンドレイク、当時はまったく客が入らなかったそうで、平沢進はそれで嫌気がさしてプログレから足を洗ったとの噂まであるほどです。確かに、四人囃子やコスモスファクトリーなどが人気を博した70年代前半以降、センスオヴワンダー、ムーンダンサー、新月など散発的に魅力的なグループはあるものの、ネクサス/メイドインジャパンによる国内プログレ勃興期までのバンドはかなりつらい思いをしてはいるようです。今だから言えることですがマンドレイクのアルバムが当時リリースされていれば、間違いなく日本のプログレの歴史を塗り替えたであろうことは、この音質の決して良いとはいえない発掘音源からも明らかなのであります。
曲的には、キングクリムゾンからの影響をやはり感じますが、世界を見渡してもトップクラスのプログレ作品であることは間違いないでしょう。