メロウキャンドル(Mellow candle)やチューダーロッジ(Tuder Lodge)のアルバムは、プログレファンならこんなの痺れるだろうななんて自分たちで考えたわけではなくて、おそらく彼らの純粋な表現欲求を作品化したものだろうと思います。それから約30年の時を経て、イギリスではなくアメリカで生まれたエスパーズ(ESPERS)ですが、このきわめて高い完成度を誇る2ndアルバム「ESPERS II」の音が鳴り始めると同時に引き込まれるその世界は、まさしくメロウキャンドルやチューダーロッジと同じ世界に間違いなく、身を任せたときの気持ちよさはこの上ないのですが、とってもうがった考え方かもしれませんが、演っている自分たちが好きだからというより、聴き手に対して「ホラ、メロウキャンドルやチューダーロッジの好きなあなた、こういうの弱いでしょ?」と言っているような気がしなくもなく。
それこそ販売面を考えればリリース年代さえ無関係にメロウキャンドルとエスパーズは同じ土俵で勝負しなければいけないわけで、さらに音楽なんて作り手の意図を考えながら聴くものでもないですし、気持ちよければそれでいいんです。そしてエスパーズは気持ちいいんです。
プログレファン、フォークファンはぜひ。