古くは四人囃子やマンドレイク(MANDRAKE)、現在も活動するセンス・オヴ・ワンダー(Sense Of Wonder)やケンソー(KENSO)など、日本にもすばらしいプログレバンドが多数存在しています。思い入れのあるバンドはいくつもありますが、なかでもヴァーミリオン・サンズ(Vermilion Sands)は、日本のバンドと限らなくても、もっとも好きなバンドです。
紅一点ボーカル蝋山陽子を中心とした、プログレフォーク/ロックバンドで、おもな活動期は80年代。10年ほどの活動期間と、人気・実力もあったにもかかわらず、残念ながらアルバムは一枚発表したのみ。86年の1stアルバム発表以降、断続的ではありましたが活動を続けていたので、いつか2ndをと20年近く待っていたのですが、残念ながら昨年蝋山陽子が急逝し、活動再開は永久に封印されてしまいました。
唯一のアルバム(後にライブを追加収録したMUSEA盤も)は、坂上真清の哀愁漂うギターと蝋山陽子の透明感あるボーカルと、ブリティッシュフォークロックの良いとこ取りの楽曲・アレンジが、日本最高峰のプログレ作品となっています。「時の灰」「In Your Mind」、MUSEA盤にのみ収録の「Love In The Cage」など涙なしには聞けない名曲。蝋山陽子自身が気に入っていたであろうルネサンスやイリュージョンが引き合いに出されますが、黄昏ぐあい(?)はフランスのサンドローズに近いかも(でもサンドローズはボーカルがいまいちなのでヴァーミリオンサンズの方がずっと好き)。
MUSEA盤にもボーナストラックとして入ってますが、ライブをかなりこなしているはずなので、ライブ音源のCD化を望む・・・。それと蝋山陽子のソロも一部の演奏とか差し替えで再発しないかな(シンセのヴァイオリンとか軟弱なので)。