MOON DANCER & TACHYON一夜限りの再結成ライブ

2013年5月18日、吉祥寺ロックジョイントGBにて、MOON DANCER & TACHYON、まさかの一夜限りの再結成ライブ「厚見玲衣 Plays MOON DANCER & TACHYON」が開催されました。第一部ムーンダンサー、第二部タキオン、最後は全員でタイガースのカバーとあっという間の2時間余でした（なんせアルバム計2枚分しかオリジナル曲がないので2時間しかできない）。今年、ヨーロピアンロックフェスやイタリアンロックフェスなどで大枚はたいてメジャーな海外バンドのライブも見ましたが、それらを遥かに凌駕する素晴らしいライブでした（私は本当はイタリアンロックなんて好きじゃなかったんじゃないかと思ってしまったくらい）。

キーボードの厚見玲衣、ギターの沢村拓の2人に加え、ムーンダンサーの部では下田展久、タキオンの部ではグレッグ・リーのそれぞれオリジナルメンバーがベースを担当。ドラムは通しで土屋敏寛が務めました。ステージ中央の厚見玲衣は三方を10台近いキーボード（メロトロン2台！）に囲まれて、まさしく「キーボードのお城の王子様」。沢村、下田、グレッグのオリジナルメンバーの3人も熱い演奏を聴かせてくれましたが、唯一オリジナルメンバーではないドラムの土屋敏寛もいい仕事をしてました。なんせムーンダンサー再現のために誰も知らないドラムメーカー「NORTH」の珍セットを叩きこなしていたわけなので（NORTHについてはこちら）。

CD化されたものの現在は廃盤となっているムーンダンサーのアルバムも、CD化さえされていないタキオンのアルバムも、どちらも完成度の高い日本を代表するプログレ作品です。私はリアルタイムでは接していないので、かなり後からスタジオアルバムを聴いて好きになったにすぎませんが、この日のライブを聴いて、アルバムの完成度どころではないポテンシャルを持っていたバンドだったということ、それぞれ1枚ずつのスタジオアルバムを残しただけで短命に終わったことがつくづく残念なバンドであったということを、再認識しました。それぞれあと何枚かのアルバムを出し、ライブアルバムや映像作品を残していたなら、と思わずにはいられません。

昔を知らないので、昔のままかどうか知りませんが、今でもこれだけの演奏を聴かせてくれるのですから、いっそのことニューアルバム制作も含めて再結成してくれるか、それが無理でもせめてこの日の素晴らしいパフォーマンスを記録に残すためにもライブ作品としてリリースしてほしい、そう願わずにはいられないライブでした。

厚見玲衣公式サイトからも直接リンクされた長文かつ詳細なレポートがあります。キーボードのお城（笑）ほか全楽器解説付き！

厚見玲衣 Plays MOON DANCER ＆TACHYON written by Eiji Farner｜GRAND FUNK MANIAC

◇セットリスト（台湾にも梅雨あんの？ - naniwametal より）　

第一部（ムーンダンサー＝厚見玲衣、沢村拓、下田展久、土屋敏寛）

1.Yellow Dog（SIREN）

2.Fly Up! 今

3.ダディ･マイケルの犯罪

4.鏡の中の少女

5.哀しみのキャンドル（ツェレの妖精/クリスマス･イブの夜/哀しみのキャンドル）

6.薔薇心中

7.アラベスク

第二部（タキオン＝厚見玲衣、沢村拓、グレッグ・リー、土屋敏寛）