PROGRESSIVE ROCK ADDICT

英伊のみならず西北東欧・南北中米・アジア各国のプログレを愛聴。日本のも好きです。目白や新宿、吉祥寺、川崎、関内にしばしば出没。 昔の音楽雑誌を集めてたり。最近は和モノAORやアイドルもよく聴いてます。twitter: @ProgRockAddict

夢幻「レダと白鳥」 もう一つの日本プログレオールスターズ作品

イメージ 1夢幻の2ndアルバム「レダと白鳥」が再発されました。1986年にリリースされたオリジナル盤にも、その後何種か出たCD盤にも収録されなかった「亡き王女のためのパヴァーヌ」ボーカルバージョンが収録された言わば「完全版」。キングの「PROGRESSIVE ROCK LEGEND PAPER SLEEVE COLLECTION」の第5弾として2013年11月6日に出た10枚のうちの1枚です。

夢幻と言えば80年代日本を代表するプログレバンドの一つ。その夢幻が残した3枚のアルバムのうち、唯一メジャーから出たのが2nd「レダと白鳥」です。ライナーノーツにリーダーの林克彦自身が書いた「夢幻ヒストリー」(1989年CD再発時のライナーの再録)によれば、自主制作の1stが大好評でマーキーからの2ndリリースオファーがあったタイミングで音楽性相違を理由にベースとドラムが脱退しアルバム制作不可能になってしまうのですが、同じころにあったネクサスからのオファーでノヴェラのリズム隊(笹井りゅうじ、西田竜一)で録れば、ということで実現したのが本作。キーボードとボーカル以外はすべてゲストメンバーによる演奏で、リズム隊以外では中嶋一晃(ページェント)、宮武和広(ミスターシリウス、ページェント)、川口貴(アウターリミッツ)が参加しており、今回同時に再発売になった「狂気じみた饒舌家の音楽」と並んで当時の日本のプログレオールスターズによる完成度の高いアルバムです。

私が一番好きな「エドモンドの古い鏡」はこのアルバムを代表する大曲で、西田竜一のソリッドなドラムのイントロを聴くともうぞくぞくしてしまいます。そしてシンフォニックなキーボードをバックにしたボーカルパートが盛り上がったところから始まるインストパートはもうたまりません。アウターリミッツでの名演に勝るとも劣らぬ川口貴の緊張感あるバイオリンと、それに続くまさに妖艶な中嶋一晃のギターは最大の聴きどころでしょう。エンディングもかっこいいです。

宮武和広がさまざまな楽器で参加した楽曲も聴き逃せません。アレンジを担当しアコースティックギターで参加した「薔薇」、メロトロンの名曲「死都ブリュージュ」、演奏ではなく宮武氏のフルートをサンプリングした「フルトロン」が大活躍する「カーミラの幻」など、これまた名曲・名演揃いです。

ラストの「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、ラヴェルの曲に歌詞をつけたもので、これまでラヴェル側が「楽曲であり歌曲ではない」ことを理由にボーカルバージョンの収録を認めてこなかったようですが、今回初めてボーカルバージョンが収録されました。聴きなれてきたせいか、むしろ静かに閉幕する演出としてリコーダーバージョンも悪くはないと思います(リコーダーバージョンはシリーズ5枚でもらえる特典CDの1種に収録)。

夢幻のリーダーでキーボードの林克彦は今は西新宿のプログレ専門店「ガーデンシェッド」の経営者。ということで、「レダと白鳥」にはガーデンシェッドのみの購入特典として86年の夢幻ライヴDVD-R「エドモンドの古い鏡」が付いてきます。メイド・イン・ジャパンからリリースされたライブビデオ「KING OF PROGRESSIVE」に収録された1986年5月4日吉祥寺シルバーエレファントでのライブのようですが、「KING OF PROGRESSIVE」はDVD化されておらずオリジナルの入手も困難。枚数限定のようなので合わせて入手されたい方はガーデンシェッドへ!

◇Mr.Siriusが語る「レダと白鳥」

◇ネットの評価
夢幻 『レダと白鳥』 |雑記帳(仮)(2008/12/25)
夢幻|ひよりの音楽自己満足(2007/12/21)

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