2006年初めにソロ「Spindle」をリリースしていたジュディ・ダイブル(Judy Dyble)ですが、その作品に続けて「The Whorl」もリリースしています。06年12月にトレーダーホーンの公演として予定されていた来日は健康上の理由で中止になってしまいましたが、ここへ来て年に2枚もソロアルバムを出すなど、創作意欲はまだまだ衰えないようです。
ジュディ・ダイブルといえば、トレイダーホーンの牧歌的なイメージが強く、一時期加入していたキングクリムゾンを辞めたのは(ロバート・フリップが?)怖くてだそうですから、イメージとしては清純・純情という感じです。ところがどういうわけか2006年に発表したソロは2作とも、サイケというかアシッドフォークというか、ロバート・フリップやサイモン・ハウスらをゲストミュージシャンに従えてのなかなかの怪作。
特にこの「The Whorl」では、あのキングクリムゾン(KING CRIMSON)の名曲「風に語りて(I talk to the wind)」のカバーがわたし的には最大の聴きどころ。ジュディ・ダイブルはキングクリムゾン時代に一度これを歌っていて(ベスト盤「ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・キングクリムゾン」に収録)、グレッグ・レイクのオリジナルにも勝るとも劣らぬそれはそれは美しい歌を聴かせているのです。今回収録の新バージョン「風に語りて」ですが、幽玄といいますか荘厳といいますか、アシッドフォーク風(?)といいますか、すごいことになってまして、度肝を抜かれます。
このおばはん、なかなかやるな。