セルヒラン(SERU GIRAN)、スイヘネリス(SUI GENERIS)、それに私の大好きなアウカン(AUCAN)などアルゼンチンは歌ものプログレの宝庫って感じで多くの名作がありますが、このRAUL PORCHETTOの1978年作「Volando de Vida」も最良の部類に入る逸品です。もの悲しげなメロディを奏でるややフォーキーなアコギをバックに、スペイン語のやさしい響きで柔らかに歌う中性的なボーカル・・・。キーボードのアレンジも絶妙で、歌ものプログレファンの心の琴線をこれでもかと言わんばかりに揺さぶってきます。甘すぎて受け付けない人もいるかもしれないですが私は大好きです。あと、インスト部分はメロウな70年代ジャズロック的展開で、叙情パートとの対比もこれはこれで楽しめるかと思います。
RAUL PORCHETTOは、70年代初期から現在まで息長く活動を続けているアーティストのようで、PorSuiGieco名義のバンド作ほか多数のソロ作をリリースしています。本作も含め70年代のソロ作品がEMIから一気にCD化されているので、他のアルバムも聴いてみようと思いました(「Mundo」あたりもなかなかよさそうですし)。